2010/03/27

 
「花と爆弾」6周年を迎えて

3月25日は、「花と爆弾」が発行された日です。わけもわからず、暴力の連鎖をとめるために何かせずにはいられない気持ちで出来上がった小さな詩画集。多くの方の支援をいただき、昨年は初版完売。第2版を増刷することもできました。

そして7年目となる今年も、「花と爆弾」には多くの活躍の場が与えてもらえそうです。4月1日から29日までは、大阪の通天閣の足元「のこされ島」にて開催される「変!地球博覧会」にて、原画を展示させてもらいます。また11日19:30から同会場で「7世代に思いをはせるアメリカとのつきあい方(基地編)」と題してお話もさせてもらいます。当日はジュゴンの保護運動をされている方のトーク会もありますし、三線ライブも予定されていて、とても楽しい一日になりそうです。

また、4月25日には「アースデーはまでらこうえん」でも「花と爆弾」が販売されることになりました。当日モンゴルのゲルが公園に出現するそうで、その中で「花と爆弾」も扱ってもらえるそうです。お天気に恵まれたらいいな~♪

それに今年はいろんな再開や出会いがあって、なんだかもっともっと平和への願いの輪が広がっていく予感がします。新聞やテレビを見ていると、強欲と支配欲だけが世界を牛耳っているようでうんざりしますが、足元では愛でみんながしっかりとつながっていく・・・そんな輪の一片になれたらと願っています。

2010/03/20

 
つらい春の日

今日は3月20日。
イラク戦争開戦より7年となる日。
7年前、暖かい日が差し、元気に鳥たちがさえずる春の朝、
テレビ画面に映し出されたのは、遠い異国の地に降り注ぐミサイル。
そこに散っていく無数の命を、ただただ呆然と見つめるだけの私でした。

開戦から7年。
戦争による市民の犠牲11万人、
米兵死者4400人、
親を失った子ども310万人。**


今年の3月20日は、
今まで以上につらい気持ちで迎えました。
なぜならこの膨大な犠牲者を生み出すことに、
日本が明らかに加担していたことを知ったから。

イラクに航空自衛隊が派遣されていたことは知っていました。
そして、そこで空輸活動をしていることも知っていました。
人道支援物資を空輸しているものだとばかり思っていました。

しかし、2006年の陸自撤退後、2008年末まで、
空自が輸送していたのは、
6割以上が米兵だったとは知りませんでした。***

バグダッドに、ファルージャに、
日本の航空自衛隊が米兵を輸送し、
その戦闘で、市民が、子どもたちが、米兵自身が、
命を落としたのです。

日米間の核の密約問題が多く取り上げられた1週間でしたが、
この国の主権者はいったい誰なのでしょう?
憲法改正もなく、国会の承認もないままに、
勝手に航空自衛隊を戦時の兵站に使うことを許したのは誰ですか?

イギリスやオランダでは、
イラク戦争の違法性を政府が認識していたかどうかの調査が始まっていますが、
日本ではそれに加え、
このような航空自衛隊の活動が可能とされた過程を、
調査し、是正していかなくてはならないと思います。

二度と日本人が戦争で死なないために、
そして戦争で殺さないために。



そして、なぜかインディアンの詩を訳したくなりました。

朝を告げる鳥がわたしの村を飛び回り、さえずる
朝だよ!
朝がきたよ!

もうみんな起きたかしら?
皆が生きて朝を迎えられたことに
心から感謝する
起きて、しっかり目を覚まして、
そして馬たちを見にいって、
一頭ぐらいは狼に食べられちゃったかもしれないから
子どもたちも生きて朝を迎えられた
心から感謝!
そして、年上のあなたも
お年寄りのあなたも
他の村に住む友人たちも生きて朝を迎えられた

でもどこかの誰かさんは病気かもしれない
だから同じ朝を迎えても、誰かさんの友達は悲しんでいる
誰かさんの子どもたちも悲しんでいる
ほら、朝がきたよ! *




*Morning Song, Nez Perce族の歌 小橋かおる訳
“Coyote Was Going There: Indian Literature of the Oregon Country”
Compiled and edited by Farold Ramsey
University of Washington Press 1977

** 数字は神戸新聞(2010年3月19日)より

***<いま、なぜ「イラク戦争検証」か?>
「イラクの子どもを救う会機関紙」No. 22 (2010年2月15日)p.5-7

゜★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★
以上、小橋かおる発行メールマガジン「7世代に思いをはせて」79号(2010年3月20日)より転載。

2010/03/08

 
7世代に思いをはせるトーク会

1月に「花と爆弾」原画展を開かせてもらったご縁で、神戸の自然派カフェごパンさんで、「7世代に思いをはせるアメリカとのつきあい方」というトーク会をさせてもらいました。

これまで講演会などで「花と爆弾」の活動について話させてもらったことはありましたが、人前で自分の考えを論じるというようなことはなかったので、「こんなただの読書好きのニュースおたくの話なんて、聞いてもらう価値があるのかな~」と恐縮しながら当日を迎えました。

集まってくださったのは、これまで「花と爆弾」を応援してくださっていた方や、メールマガジン「7世代に思いをはせて」の読者の方、またネィティブ・アメリカンに興味のなる方や、平和活動をなさっている方など、10代から70代までいろんな年代、いろんな分野の方が集まってくれて、お互いに情報交換するだけでもとっても素敵な集いとなりました。

私が今回メインにお話させてもらったのは、お金を通してのアメリカとのつきあい方。メールマガジンでもご紹介したことのあるエマニュエル・トッド著『帝国以後』に、「もしかしたらアメリカの戦費に日本が財政的協力をしないというだけでも、アメリカ・システムの崩壊には十分な貢献となるかもしれない。」というトッドの提言がありましたが、その意味するところ、すなわち、いかに私たちの貯金がアメリカ国債購入に当てられ、イラク戦争の戦費として使われたかを、広瀬 隆著の『資本主義崩壊の首謀者たち』などの書籍をご紹介しながら説明させていただきました。

銀行に預けてしまった後、それがどうのように運用されるのかあまり考えないことですが、預ける先によって、運用先が決まり、それによって実現される将来がある。このことをよく考えないと、自分で自分の首をしめることになる。これまでも未来バンク理事長なども努められている田中優氏が、この点に関して活発に発言されているのは知ってはいましたが、今回「アメリカとのつきあい方」と題してお話をする機会を得て、今まであまり関心がなかった「経済」や「お金の流れ」について改めていろいろな書籍なども読み、ほんとうに田中氏がおっしゃるとおり「私のお金が世界を変える」んだな~と実感しました。

私自身も大きな収穫得ることができたこのトーク会。声をかけてくださって会場を提供してくださったごパンのマスターにたいへん感謝しています。


また、トーク会終了後、イラクとアフガニスタンの子どもたちのためにカンパをお願いしたところ、5400円も集まりました。自分も学べて、素敵な出会いがあって、そのうえ、子どもたちへの寄付もいただけて、1石三鳥なトーク会。これからも時々開催させていただこうと、思い上がっております^^


トーク会にご参加くださった、アフリカとパレスチナを支援されているトモニプロジェクトさんが、会の様子をまとめてブログでご紹介してくださっています。ぜひご覧ください。
トモニプロジェクト(小橋かおるトーク会の記事)


= 参考 =
トーク会で紹介させてもらったメールマガジン「7世代に思いをはせて」の記事
【第61号】オバマ大統領来日と『帝国以後』

【第62号】『帝国以後』の世界が始まる

【第76号】はちみつと日本人の貯金


トーク会で主に紹介させてもらった書籍
*『帝国以後―アメリカ・システムの崩壊』
エマニュエル・トッド著 2003年 藤原書店

* リーマンショックへ至る道を理解しやすい本 *
『資本主義崩壊の首謀者たち』
広瀬 隆著 集英社新書 2009年

* 日本の円が、ドルに化ける過程がよくわかる本 *
『黒字亡国-対米黒字が日本経済を殺す』
三國陽夫著 文春文庫 2005年


*上記3冊の考えをうまくまとめて、新しい方向を示してくれる本 *
『戦争をやめさせ環境破壊をくいとめる新しい社会のつくり方』
田中 優著 合同出版 2005年

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