2004/08/26

 
 タイの子どもたちに絵本を!9/11のピース・ライブに不要の絵本をお持ち下さい!

 今日はとても素敵な女性にお会いしてきました。タイ出身で神戸在住(それも私の御近所にお住まい)のメイティニーさんです。メイさんは故郷のタイのランパンに子どもたちのための図書館を建てようと、現在「化粧もせずに」倹約&奮闘をされている方です。

 彼女の活動を知ったのは神戸新聞の記事でした。素敵な笑顔で図書館の設計図を手にしながら「タイの子どもたちに絵本を!」と呼びかける写真が新聞に載っていて目に止まったのですが、よく読むと記事をかかれた記者さんが、私のところに取材に来て下さった方と同じ方でした。これも何かの縁かなと思い、『花と爆弾』を寄贈させてもらったのが、おつきあいのきっかけとなりました。

 身近な友達に呼びかけて、絵本を譲ってもらって、今日数冊ながらお届けしてきたのですが、まだ新しい絵本だったので、とても喜んで貰えました。「子どもたちにはきれいな絵本で美しい絵を見て、幸せな気分になってほしいから」といいながら、持っていった本を濡れた布できれいにふき、きちんとビニールカバーもかけられていました。

 これまでも古着を集めてタイの子どもたちに送る活動もされていたそうで、その時の苦労話や嬉しかったお話など聞かせていただきました。それからタイの珍しい象との生活のお話なども。なんだか一気にタイを身近に感じた午後となりました。

 さて、9月11日の『花と爆弾』ピース・ライブと朗読会もいよいよ近づいてきました。なぜか私も2曲ほど歌うことになってしまいましたので、只今特訓中ですが、はてさてどうなりますか・・・。私のことはさておき、このWords for Peace でも紹介させていただいた名古屋の安藤さんが歌ってくださるのがとても楽しみです。それからこのWords for Peaceにもしばしば登場されているYodaiさんもジャンベという珍しい楽器を持って参加してくださるので、こちらも本当に楽しみです。

 最後に突然のお願いですが、この9月11日のライブを見にきてくださる方々の中で、もしもお家に不要の絵本がおありの方がいらっしゃったら、是非会場にお持ちいただいて、メイさんにご寄贈いただけませんか?お持ちいただいた絵本は私が責任を持ってお預かりして、メイさんにお渡しします。御近所のよしみもあって、少しでもメイさんのお役に立てればと思っておりますので、皆さま、どうぞよろしくお願いします。

2004/08/13

 
アメリカ西海岸10日間という短い滞在でしたが、無事8月9日に帰国しました。こちらでは西ナイル熱感染とか「自爆メモ」とかが大変話題になっていたそうですが、アメリカではほとんど話題になっていなかったので、帰ってきてから知りました。

あちらのニュースで連日取り上げられていたのは、ニューヨークなどへのテロ攻撃の脅威と、イラクのナジャフで続く戦闘、それから当然のことながら大統領選挙戦についてでした。普通のアメリカ人がどんな情報を得ているのか生で感じたかったので、できるだけ地元のテレビ局の番組を見ていましたが、外国関連のニュースはイラクのことのみという感じでした(自国が戦っている国なので、外国関連と言えるかどうかはさておき)。そのイラクに関しても、あまり深く掘り下げたニュースはなく、ほとんどが米兵が何人死亡とかイラク民兵が何人死亡という数字的なものを淡々と伝えるというもので、視聴者の関心を引くようなものではなかったと思います。

10日間の滞在中、イラクで続く戦闘についての背景や詳細まで踏み込むような番組もこれといってなく、大義なき戦争を引き起こしたブッシュ氏への批判的な意見もテレビや雑誌ではほとんど見かけることのない中、全米で記録的な大ヒットとなっているマイケル・ムーア監督の「華氏9/11」を見てきました。日本でも8月下旬公開予定のドキュメンタリー映画です。

いろいろと話題になっている映画ですので、皆さんもご存じの方が多いと思いますが、とても素晴らしい映画でした。ブッシュ批判だとか政治的に偏っているとか非難する人は多くいますが、ムーア監督がこの映画で一番伝えたいことは、「むやみに戦争という手段を使うな」ということだと思いました。イラクやアフガンへの空爆が現地の人たちをどんなに傷つけ苦しめているか。国を守るためといって戦地に派遣され死んでいったアメリカ兵の無念と家族の悲しみはどんなものなのか。そして、この戦争で一番得をしている連中は誰なのか。映像という映画ならではのインパクト(またムーア監督独自のブラック・ユーモア)をもって、これらの問題を浮き彫りにしていきます。そして、一番印象に残ったのは、イラクに派遣され死亡した一人のアメリカ兵の母親の言葉でした。彼女はホワイトハウスの門の前でこう言いました。「息子が死んだのはアルカイーダのせいだと思わないといけないんでしょうけど、でも彼らはこの(イラク)戦争を始めなかった。戦争を始めて息子をイラクに派遣したのはアメリカ政府よ。」

戦時下とはいえ、日々の生活ではあちらこちらに翻る星条旗以外に戦争を思い出させるものもない平和なアメリカで、この映画が多くのアメリカ人に見られていることに、少し明るい未来への希望を感じたアメリカ滞在となりました。

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