2005/07/29

 
去年の9月11日、神戸は板宿のカフェ・梵天さんで開催させていただいた「花と爆弾・ピースライブと朗読会」を、今年の9月11日にも開催しようと、いろんな方に協力をお願いして、準備を進めておりましたが、今夜とても哀しい知らせが届きました。

昨年、「花と爆弾」の発行と同時に本を買って下さり、すぐに曲をつけてくださった安藤さんが、亡くなられたのです。ちょうど昨年の今頃でした、「911のピースライブをしたいのだけど、神戸に来て歌ってもらえますか?」とのお願いに、すぐに「行きます」と返事をくれたのは。当日は名古屋から車を飛ばして駆けつけてくれた、素敵な声と優しい笑顔の女性。

地元名古屋では、彼女がかよう教会で「音楽をとおして人と触れあう場所」がほしいからと、毎月「ミュージック・カフェ」を開催されて、とても穏やかで温かい空間を作り上げていらっしゃいました。「もっと音楽と真剣につきあいたいから」と、音楽を正式に学び始められたところだったのに・・・。

あまりにも早すぎる死に言葉もありません。思い浮かぶのは、名古屋のミュージック・カフェで初めてお会いした時の笑顔と、一生懸命「花と爆弾」を歌ってくれていた横顔。哀しいまでに透き通った声・・・。

あなたが私に与えてくれた「花と爆弾」という曲が、たくさんの人とのつながりをもたらしてくれました。あなたが湖面に投げ込んだ石の波紋は、大きく大きく広がっています。
どうか天国から行く末を見守っていてください。

2005/07/14

 
ロンドンの同時爆破テロ事件から1週間が経ちます。未だに犠牲者の総数はわからない状態で、それが一層、事件の悲惨さを物語っていますが、イギリス国民は比較的冷静で、ブレア首相の声明通り、警察力をフル活用し、容疑者の割り出しにまでたどり着いたようです。

先日、同僚のイギリスの方に、「お国ではたいへんなことになりましたね」と声をおかけしましたが、彼は首を振って、「今まで(こんなテロが)なかったのが、ラッキーだったんだよ。まあ、ほとんどのイギリス人は、僕のような意見を聞きたがらないだろうけどね。」とおっしゃいました。

もちろんテロは許されない行為ですが、2003年の英米軍によるイラク侵攻からずっと、「対テロ戦争」という名の下に、イラクの町は破壊されつづけ、女性や子どもも含めた民間人が多数犠牲になっています。スイスのジュネーブ高等国際問題研究所が11日に国連本部で発表した報告によると、開戦以降、犠牲になった民間人の数は約3万9000人です。

3万9000人。ファルージャやハイファなど、イラクのあらゆる都市で続けられている「テロリスト掃討作戦」。それは、たった数人のテロリストを殺害するために、町を空爆するという、正気の沙汰とは思えない作戦。昨年の4月のザルカウイ容疑者を狙ったファルージャ空爆では、何百人(600人以上とも)という民間人が犠牲となったと言われています。

アフガニスタン戦争の時も、悲惨な事件は後を絶ちませんでした。ひとりのテロリストを殺害するために、車列にむかって戦闘機で攻撃し、何の罪もない人々を60人以上犠牲にしてたことがありました。それについて米軍が言ったことは「テロリスト掃討作戦だ。」

ブレア首相は、「テロを根絶やしするために、中東紛争の解決と民主主義の確立を目指す」と宣言したようです。もちろんパレスチナ問題は解決しなければなりません。でも、その前にすべきことは、数人のテロリストの掃討に民間人を何十人も、何百人も犠牲にするその考え方を改めることではないでしょうか?

イラクやアフガンでは、ロンドンの事件のような殺戮は、至るところで起こっています。そしてそれを行う米英の軍隊は全く罪に問われることがない。それを伝えるメディアも本当に限られています。世界の無関心のなか、理不尽な死を受け入れるしかない人たちがいるということを、どうか忘れないでください。

2005/07/09

 
昨日は、相愛大学主催の講演会に講師としてお招きいただき、多くの学生さんの前で、これまでの「花と爆弾」の活動をご紹介させていただきました。

また、古橋理絵さんとはくさんまさたかさんによるスライド絵本「ななしのごんべさん」も上映していただきました。絵本の舞台は大阪府堺市。60年前の7月9日から10日にかけての大空襲を題材にしたものです。大阪南部出身の方が多い大学ですので、若い学生の皆さんにも、少しは戦争を自分の身近な問題として、感じてもらえたのではないかと思います。

学外の方も参加していただけるということもあって、ネットなどで「花と爆弾」の活動に興味を持って下さった方も講演を聴きにきていただいて、本当に光栄でした。講演会の後は、わざわざ足を運んでくださったネット仲間の方々と出演者3名と共に、ささやかながら、打ち上げパーティーとなりました。
皆さんの平和への思いや、それぞれの興味をもっていることなどについて、話は弾み、とても楽しい一時でした。

しかし、帰宅して、テレビをつけてみると、気分は一転。

また愚かな大義のもとに、何の罪もない人々が犠牲になりました・・・。

NY、アフガニスタン、バリ、トルコ、バグダット、マドリード、ファルージャ、そして、ロンドン。

いつまで、こんなことが繰り返されるのでしょう。

テロであれ、戦争であれ、私たちひとりひとりがどんな暴力も許さないという、強い信念を持つことでしか、この暴力の連鎖から逃れられないような気がしています。

ブレア首相は「警察力を使って、テロリストを裁きにかける」と言っていました。
そうです、今、国際社会が必要としているのは、法と秩序です。

暴力は、暴力しか生み出しません。
法によって今回の事件が解決されることを強く望みます。

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