2017/06/30

 

表現の自由とわたしたちの政治

この5月、6月は、イベントの主催や司会を通して、様々な方に出会い、ほんとうに多くのことを学びました。少し、まとめておきます。
6月の庭

                                                                     
☆藤田早苗講演会
◆国際社会から見た日本の表現の自由とメディアの問題
~グローバル・グリーンズ 世界大会 フォローアップ講演会 in ひょうご ~
日時:2017年5月17日(水)18:30~20:40(18:00開場)
場所:神戸市勤労会館403・404号室
講師:藤田早苗さん(英国エセックス大学人権センターフェロー)
主催:緑の党ひょうご(緑の党兵庫県本部)


4月にリバプールでの緑の党世界大会でお会いし、神戸での講演会を急遽企画いたしました。
日本語という「壁」があって、なかなか日本の状況が海外に知ってもらえず、また、海外の情報も日本国内にはなかなか入って来ないという「情報鎖国」を、イギリス在住の藤田さんは痛感されています。

ご専門の国際人権法から考えると、「特定秘密保護法」や「共謀罪」、またメディアの報道の自由を制限しかねない電波法や記者クラブの問題などに大きな懸念を抱かざるを得なくなり、日本の情報を積極的に、国連人権理事会や国連特別報告者に提供。そこから得られる国連人権理事会からのアドバイスで、日本がより民主的で国民の人権が大切にされる国になるよう願って行動されています。

国連からのこのようなアドバイスを「内政干渉」だとする意見もありますが、第2次世界大戦の反省から、人権は国内事項ではなく、国際関心事であるとのこと。すなわち、どこの国にいようとも、人権は守られるように動いていくのが、国連の、また国連加盟国の責務であることも、藤田さんのお話から改めで確認できました。


また、日本の人権保護状況は、まだまだ不備な点が多いこともよくわかりました。特に、今後調べたいと思っていることは、「個人通報制度」。

人権法実施には不可欠な制度と思われているそうですが、日本はまだ批准していません(民進党のマニフェストには入っていたことがあるそうです)。この制度があれば、例えば、日本の最高裁で敗訴が確定してしまっても、個人通報制度を使って、人権条約機関に直接訴え、救済を求めることができるそうです。原発事故によって多くの方が理不尽な状況にある中、この制度が必要になることになるかもしれません。「個人通報制度」に関しては、後日よく調べたいと思います。


藤田さんのお話をyoutubeなどで聞くことができます。     
講演会の後の藤田早苗さんと
↓ ■自由なラジオ・おしどりのラジオアクティブ ゲスト:藤田早苗さん http://jiyunaradio.jp/personality/archive/063/
☆詩人 アーサー・ビナードさんに聞く 言葉のつむぎ方、ひもとき方
■アーサー・ビナード講演会           
詩人 アーサー・ビナードさんに聞く
      言葉のつむぎ方、ひもとき方
日時: 2017年5月21日(日) 14:00~16:30 (13:30開場)   
場所: 神戸市勤労会館(405・406号室)
主催:さよなら原発神戸アクション 花と爆弾賛同イベント


昨年からアーサーさんをお迎えしてのこの講演会の実現のために、中心になって動いてきましたので、この講演会の成功は、ほんとうに嬉しいものでした。
また、アーサーさんのお話は、とても真に迫るものでした。

日本国憲法21条
1. 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2. 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

講演会の最後で、アーサー・ビナードさんは、
憲法21条を読み上げ、こう続けました。

「僕たちがこの憲法のもとで、黙っていたら、
僕らの戦中、戦後の責任は、昔の人の比じゃない。
今やれることはごまんとある、黙ってる場合じゃない。」

特定秘密保護法、共謀罪と、何が秘密で、誰からの密告で、逮捕されるかもわからないような法が整備されようとしている今、
「僕は、小林多喜二とともに書いている」ともおっしゃったアーサーさん。
私たちにも必要な覚悟というか、生きる姿勢を、見せてもらった講演会でした。


■講演部分の動画をyourubeにアップしてもらいました。
聞き逃した方、もう一度聞きたいかた、どうぞご覧ください。           
講演会の後のアーサー・ビナードさんと
https://www.youtube.com/watch?v=B7rb4c5FcaI&feature=youtu.be 表現の自由、報道の自由を守ることは、自分たちの未来を守ること。 民主主義社会の根幹でもあるということを確信した上記の講演会。 以下の講演会は、その民主主義社会において、 有権者としてどのように政治に関わっていくか・・・ それを模索するものとなりました。



★日本はもっと良くなる!長妻昭 講演会
日時 6月11日(日)13:30~16:30(13:00開場)
場所 神戸市勤労会館403&404(三宮駅東へ徒歩5分、中央区役所西側)
内容 講演「すべての人に居場所と出番のある社会を」長妻昭衆議院議員
主催 政治を市民の手にとりもどす会ひょうご 協賛 連帯兵庫みなせん

主催の「政治を市民の手にとりもどす会ひょうご」には私もメンバーに加えさせてもらっています。この講演会に先だって、私たちは「みんなが幸せになるマニフェスト」作成していました。これは、私たちが望む政治、私たちからの提言をまとめ、このマニフェストに共感してくれる政治家を応援していこうとの思いで作ったもので、この講演会の最後に、私が代読させてもらいました。

「政治を市民の手にとりもどす会ひょうご」が目指す政治の基本は、金持ちや大企業のための政治ではなく、市民のための政治。税制的に優遇されている富裕層、大企業に公平な税負担を課し、そして公正な税分配により社会福祉の充実を実現する、というものです。

長妻さんのお話では、ベルギーの例が多く登場し、福祉が充実し、労働効率の高いヨーロッパ型を目指しているところに共感しました。また、財源については、法人税の引き上げには慎重な意見でしたが、大企業向けの優遇税制や、タックスヘイブンの租税回避の阻止の対策など、私たちとのマニフェストとの一致点もありました。

自民党の新自由主義的、アメリカ型強欲食資本主義ではない、もうひとつの選択肢となりうる政策を基本にする民進党という存在を再認識できた講演会でした。


                                                               
★泉田裕彦(前新潟県知事)講演会 日時 2017年6月25日(日)13:30~16:30 場所 兵庫県私学会館大ホール(定員300人)元町駅東口西北歩2分 講演「原発と地方自治体」泉田裕彦前新潟県知事 主催 泉田裕彦講演会実行委員会 「避難計画なくして再稼働はあり得ない」と、311以後、東電と交渉を続けてきた 柏崎・刈羽原発の立地県である新潟県の前知事である泉田裕彦氏の講演会では、私は司会を務めさせていただきました。 県知事就任直後の2004年と、2007年に大地震に襲われた新潟県で、知事としてあらゆる判断を迫られ、また2007年の柏崎・刈羽原発の火災事故で、原発防災の問題点を目の当たりにされた実体験を元にお話しくださったので、とてもリアリティがありました。 福島第一原発事故以降は、原発立地県として、東京電力にさまざまな情報を求め、また対策を要請して来られたそうですが、メルトダウンの事実を隠蔽し、明らかに嘘と思われる報告をするなど、原発立地県の知事にも平気で嘘を言う、東電という会社の体質にたいへん憤りを感じられたそうです。 その憤りは、泉田さん個人のものというのではなく、新潟県民すべての人の憤り。県民の暮らしを根底から覆してしまう可能性のある原発を運転する企業が、自分たちの保身しか考えず、自分たちの利益のために、新潟県に嘘をつく、すなわち新潟県を犠牲にしても企業を守るという姿勢に憤っているのだと思います。ただ、その憤りを表明し、要請をする行動が、安倍政権や東京電力という中央の人間には都合が悪かったのでしょう。さまざまな「印象操作」的報道がなされるなか、あえて前回の知事選には出馬しないという選択をされたようです。 しかし、自治体とは本来、住民の命と暮らしを守るものではないでしょうか?新潟県民の憤りをくみ取られて発言されてきた泉田さんは、県知事として当然の仕事をされてきたのだと思います。 泉田さんが講演で言及された、大震災による交通網の混乱や壊れた家屋での余震の怖さ、そこに原発事故が加わった時、安定ヨウ素剤もなく、どうやって屋内避難することができるのかなど、大地震と原発事故の複合災害の恐ろしさと対処の難しさは、阪神淡路大震災を経験した私たちには、ありありと想像できました。 今後、私たちが兵庫県を始めとする自治体に、さらなる原発災害対策の推進を要請するにあたって、とても参考になる、ほんとうに有意義な講演会でした。

                         「最近、指紋も写るからね」とおっしゃりながら、
                         手の甲を見せて、ちょっとおどけている泉田さんと。


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