2010/11/12

 
日本では報道されない大切なこと

秋は多くのイベントが開催される。先週は、4日にジャーナリストの西谷文和さんのアフガン報告会、5日にイラク支援ボランティアの高遠菜穂子さんのイラク報告会に参加した。

アフガンからもイラクからも関心が遠のく中、現地の情報、また日本に関わってくる重大な情報も大手メディアからは得ることができない。現地に赴き、また現地との深いパイプを持つお二人のような方の話を聴く機会は、私にとっては貴重だ。

高遠さんの報告会で初めて知ったこと。イラクの国民は、日本国民よりもよく自衛隊のことを知っているということだ。「イラクでは、どれぐらい自衛隊がイラクに派遣されていたことを知ってるんですか?」と質問したところ・・・


「イラクでは、陸自がサマワにやってくるところが、クェートを出発した時から、密着取材でした。人道支援と聞いていたのに、現れたら軍服を着た軍人だったから、イラクばかりでなく、まわりのアラブ諸国の人々全員が、あっと驚いた!って感じでした。」とのお答え。。。


日本では、第1次部隊の北海道の陸自が派遣されるところぐらいしかメディアではカバーされなかったと思うが、イラクの新聞では、最後の方に派遣された熊本の陸自が日本を出発したことも、カラー写真つきで報道されていたそうだ。・・・アラブに行ったら、「なぜ日本はイラクに派兵したんだ」って詰め寄られれてもぜんぜん不思議ではないとのこと。


それまでは日本を「アジアの友人」と思っていたアラブ諸国が、それ以後は日本を敵として見ている。。。こんな大切なことも日本にいるとわからない。残念であり、危険なことだと思う。


10月20日、アフガン取材より帰国された西谷文和さんの報告会では、戦闘が一段と悪化していることが映像ではっきりと示された。春に訪れた難民キャンプに滞在する世帯数が秋には100世帯も増えていたとのこと。およそ800名ほどが増えたと考えられる。南部や東部で米軍の無人攻撃機による空爆が激しさを増していることが、原因だろう。幼い子どもが汚水にしか見えない水がはいったバケツで顔を洗っている。病気になってあたりまえの劣悪な環境だ。

しかし、医師不足は深刻。医師不足を解消するためにインド政府が医師を10人ほどアフガニスタンに派遣したらしいが、皆殺されてしまった。おそらくはパキスタン系アルカイダと言われる人たちによる犯行だろうとのこと。アフガニスタンは戦場だ。それもジュネーブ条約も何もない戦場だ。


菅政権は、自衛隊の防衛医官をアフガニスタンに派遣する方針らしいが、拙速に国際貢献に急ぐと、取り返しのつかないことになるだろう。政権の面子や都合という色眼鏡をはずし、しっかりと現地を見て、長い目でアフガニスタン支援のあり方を考えてほしい。


西谷文和さんは10月に撮影してきたばかりの映像を、報告会に参加した希望者にDVDで配ってくださいました。ひとりでも多くの人にこのことを知ってほしいとの思いからでしょう。彼が命をかけて撮ってきた貴重な映像や証言の数々も、今や採り上げてくれるメディアはないようです。私も一枚いただきました。視聴を希望される方は、ぜひご連絡ください。神戸近辺ならば、小さなカフェでも勉強会でもお持ちしますので、ひとりでも多くの方と一緒に見させてもらいたいと思います。email:kaorukobashi@hotmail.com

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