2004/04/29

 
これも春の気まぐれというのでしょうか、神戸では初夏の暑さかと思うと、3月の寒さ、はたまた25メートルの強風と、激しい天候の変化にただただ呆然とするばかりです。
そんな強風吹き荒れた日の午後、とある新聞社の記者さんが、『花と爆弾』について取材に来て下さいました。インタビューを受けるなど初めてのことでしたが、一時間ほど熱心にお話を聞いてくださって、とても楽しい午後となりました。

先日立て続けに十代の頃太平洋戦争を経験された方から、お便りをいただきました。どのお便りにも、ご自分の戦争体験を思い出すので、戦争を伝えるニュースは見たくないけれど、見られずにはいられないという心情が書かれていました。今日はそのうちの一通をご紹介します。

「最初は、(花と爆弾の)本の扉を開くのに、一寸ためらいました。いざ開いてみると、重い戦争をテーマにしているのに、肩肘張らず、平易な言葉で詠まれている。(中略)軽く詠まれているようで、その裏に、ある重いもの、恐ろしいものがあり、考えさせられました。」
「この歌集のどの歌も心より共感し、この子達、この人達の上に、平和な日々が早くもどりますよう祈る気持ちでいっぱいです。」

このお手紙を下さった方は、空襲下、機銃掃射の下を逃げまどい、ご生家は焼かれたそうです。戦争で泣くのは弱い女、子どもですとも書かれています。
そのような辛い体験をお持ちの方に、共感していただけたことを、本当に嬉しく思います。
そして、また日本には空襲を経験された方がたくさんいらっしゃって、日々伝えられるイラクやアフガンの惨状に、ご自分の体験を重ねられて、たいへん心を痛めていらっしゃることも、改めて認識することができました。
今回お手紙をくださった世代の方々が、つらい体験をこれ以上追体験しなくてもよいように、できるだけのことをしていかなくてはならないと思いました。

2004/04/19

 
アメリカをベースとする反戦詩人の会にPoets against the warという団体があります。
イラク戦争が始まる前には、世界中から寄せられた1万以上もの反戦、平和を願う詩をホワイトハウスに提出したことで、アメリカではメディアにも大きく取り上げられた団体です。
Poems of the Week、今週の詩ということで、4月14日の週の詩に、『花と爆弾』の巻頭英詩が選ばれました。出版を記念しての、Poets against the warからの贈りものと思っております。
よろしければ、下記URLをクリックして、世界の詩人達のページをのぞいてみてくだい。

http://www.poetsagainstthewar.org/poemsoftheweek.asp

2004/04/16

 
桜もすっかり葉桜となり、神戸の街には徐々に木々の若葉が目立ってきました。
花壇にはチューリップやパンジーが咲き乱れ、いのちの溢れる春も盛りです。
イラクに拘束されていた3人の日本の若者が解放され、本当にほっと胸をなでおろしましたが、
それでもイラクでは変わらず混迷がつづきます。
戦闘に巻き込まれて傷つく子どもたちのことを思うと、春の美しさも、どこか哀しいものに見えてしまいます。

今回も皆様からのお言葉を紹介させていただきます。
横浜の女性から、「二人の子どもを抱えて、自分のことで精一杯ですが、このままではいけないと思っています」とのお便りをいただきました。以下に一部抜粋します。
「本の裏表紙に書かれた「暴力の連鎖を希望の連鎖に」ということばに深く賛
同します。なぜなら、常に、暴力が産みだすのは暴力だけなのに・・・と感じていた
からです。
反面、善意の集まるところには邪心は近寄りにくいもの。かおるさんが投げかけた善意の
カケラは、きっと大きな波紋となって世界に広がっていくことでしょう。私も一筋の
漣となって、波紋を広げる力になれますように。」

小さな力でもたくさん集まれば大きな大きな波紋となって広がっていくと、私は信じたいと思っています。いただいたお言葉には本当に勇気づけられました。ありがとうございました。

埼玉のお孫さんをお持ちの女性からは、「孫が風船に色を塗っています。」とのお便りをいただきました。みなさんのお力で素敵な『花と爆弾』をたくさん作っていただければ、本当に嬉しいです。

最後になりましたが、ジュンク堂三宮店さんにもお礼を申し上げます。
先日お立ち寄りさせていただいたところ、『花と爆弾』が中央レジ前の「書評で紹介された本・話題の本」の書棚で、とても手にとりやすい場所に陳列されていました。
他にもっと陳列すべき著名な本もおありでしょうに、『花と爆弾』のためにあれほどのスペースを割いて下さっていて、本当に感謝いたします。
また、タリバン政権崩壊後に初めて作られたアフガニスタン映画『アフガン零年』の上映会場シネ・ヌーヴォさんでも、『花と爆弾』を販売していただけることになりました。
皆様のご厚意によりこのような機会を与えていただけることに、深く深く感謝いたしております。




2004/04/09

 
『花と爆弾-もう、戦争の暴力はやめようよ-』の発売より10日ほど経ちました。「本書によせて」の中で、「ここに収められた希望への言葉を、湖面に投げ込まれた石が描く静かな波紋のように、ずっとずっと広げていきましょう。」と書かせていただきましたが、読んで下さった方々からたくさんの支援やお言葉をいただき、本当に湖面の希望の波紋が広がっていっているような気がしています。

小学5年生の女の子は『花と爆弾』の中のお姉さんのお人形の詩を読んで、「これからは妹におもちゃを貸してあげることにする」と言ってくれました。身近な所から争いごとをなくしていこうとする気持ちが、とても嬉しいです。

東北に住む男性は、『花と爆弾』を読んで、「頬をたたかれたようなショックを覚えた」とお手紙をくださいました。「日本の一地方都市の小さな町内で日々の暮らしていると、テロや戦争の映像も不謹慎ながらTVの外国映画のように見えてしまいます。(中略)しかし、本日、小橋さんの目線がそれぞれの現地の子どもたちの目線の高さに揃えて降りているのを改めて感じました。」 
戦争やテロの悲惨な映像も繰り返し見ていると、本当に映画のようで実感が伴いません。それは多くの人が感じていることではないでしょうか。私も、湾岸戦争の時は、テレビゲームを見るように、ピンポイント攻撃を見ていました。
私が戦争の悲惨さを他の人より少し実感を持って感じられているとしたら、それは、阪神淡路大震災で、自分の街を破壊されるとはどういうことか、6千人もの人が命を落とすとはどういうことかを経験したからだと思います。その時の気持ちをもとに、想像力を働かせて、苦しんでいる人の気持ちに思いをはせることができるのだと思います。
『花と爆弾』を読んで下さった方が、戦禍に苦しんでいる子どもたちに思いをはせてくださったら、私にとってはこの上ない喜びです。

他にもたくさんの方がお便りをくださいました。サークル仲間に紹介してくれた方、お店にくるお客さんに宣伝してくださっている美容師の方、「学級通信」で紹介してくださる塾の先生。学校の図書館に入れてくださる保護者の方、また学校の先生方。
本当にありがとうございます。

これからもこのページで、皆様からの平和を祈る言葉を紹介させていただきますので、お便りお待ちしています。

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