2020/04/02

 

放射性汚染土再利用にSTOPがかかりました~そして、これから~

3月28日NHKニュース


3月28日にビッグニュースが飛びこんで来ました。
除染土再生利用に向けた法令改正「時期尚早」指摘相次ぎ見送り NHKニュース 2020年3月28日
「福島第一原発事故の除染で出た土の再生利用に向けて、環境省は法令を改正し工事や管理の基準を設ける方針でしたが、パブリックコメントに2800件を超える意見が寄せられ「時期尚早だ」といった指摘が相次いだことなどから改正を見送ることになりました。」


今年の1月から2月にかけて、環境省が、福島第一原発事故の除染作業で発生した放射性汚染土壌を全国の農地造成や公共事業で再利用するため省令を変更するパブリック・コメントを実施し、4月1日施行を目指していましたが、多くの反対意見が寄せられ、この省令変更は見送りになりました。
この1年間、放射性汚染土再利用を止めるために、考えられることをすべてやってきたつもりですが、ご協力いただいた皆さま、全国津々浦々で、声を上げてくださった皆さまに、心から感謝します。

しかしながら、今回は「見送り」でも、環境省は実証実験を重ねて、理解を得て・・・とまだこの放射性汚染土再利用をあきらめていません。放射性物質は厳重管理という大原則をこの国に復活させ、私たちの暮らしと未来を守るために、今後も働きかけを続けていくつもりです。

兵庫県庁
兵庫県環境整備課長との面談
3月25日、丸尾まき兵庫県議員に調整いただき、兵庫県で土砂などについて扱う部門の環境整備課長との面談がかないました。1時間ほどの面談でしたが、兵庫県の土砂に関する条例の説明、そして考え方などをお聞きし、私たち放射能社会を生きる連続セミナー事務局のメンバーからの要望などもお伝えできた、とても有意義な面談でした。簡単ですが、ご報告いたします。

兵庫県には、「産業廃棄物等の不適正な処理の防止に関する条例の施行について」という条例があり、土砂も含む産業廃棄物について、県民の生活の安全確保のために必要な規制をしています。
そこには土壌安全基準があり、特定有害物質が国の土壌汚染対策法に基づいて定められているのですが、この土壌汚染対策法の特定有害物質に放射性物質が含まれていないので、兵庫県独自に放射性物質を有害物質に入れることはできないかについて、環境整備課長に意見を伺いました。

県の考え方としては、土壌汚染対策法を根拠としている条例なので、その法律自体に「放射性物質」が加えられなければ、条例で何かできるということは難しいが、井戸県知事のこれまでの発言どおり、「放射性物質の安全性や取り扱いについては、科学的根拠を踏まえた慎重な議論が必要」*との認識で、「環境省が公共事業に使ってくださいと言ってきても、そこは慎重な議論が必要だと思っている。」と、環境整備課長がおっしゃいました。

また、環境整備課長によると、兵庫県に限らず、建設用の土砂などは、建設現場内=「場内利用」がほとんどであること、「場外利用」の場合は、その建設用土砂の出所はわかる仕組みになっているので、気になる建設現場があれば、県に問い合わせば、どこから来た土砂か答えることができるとも、説明いただきました。


放射性汚染土の問題は、福島県内の除染ででたものだけでなく、関東、東北一円でも除染作業はされており、残念ながらずさんに管理され、中には埋められたものもあるので、その存在を忘れられ、数年経てば建設残土として、埋め立てなどに利用される可能性もあることを私からは伝えました。

また、メンバーのひとりである、兵庫県の生活協同組合理事長も、兵庫県が放射能により汚染されていないことが、どれほど安全な食を提供するのに大切なことであるかを延べ、環境整備課長も、兵庫県は農業、漁業でなりたつ県であるから、そこはほんとうに大切にしたいと思っている旨を語ってくださいました。


最後に、条例での放射性物質の規制は難しいとしても、放射性汚染土を利用すべきではないとの認識の上で、できるだけ土砂は「場内利用」するよう、また、「場外利用」の場合は、環境負荷も考えて出来るだけ近距離から土砂を確保し、場外の土砂を利用する場合には、土砂の産地などの情報にアクセスしやすくすることを要望し、面談を終えました。


兵庫県民である私たちも、また県の職員さんたちも、兵庫県の環境を守っていきたいとの同じ気持ちであることを認識でき、ありがたく思いました。



その後、最初にご紹介しました、環境省の汚染土再利用の省令変更が見送りになったニュースが入ったわけですが、この問題は兵庫県だけの問題ではなく、福島県内でも福島県外でも、放射性物質は厳重管理しなければならないとの原則を取り戻し、しっかりと実施していかなければ解決しない問題です。

今後も、私たちは兵庫県や神戸市など、地元の自治体への働きかけは続けていきます。皆さまもぜひ各自の自治体への働きかけをお願いします。地方自治体から、私たちの暮らしと未来を守っていきましょう。


私は、これから6月にむけては、神戸市の新しい条例制定に放射性物質の規制を入れてもらえるよう動きたいと思っています。
詳しくは、ブログにまとめていますので、ご覧ください。
      ↓
■神戸市の新条例で、放射性物質を規制しましょう!
http://flowersandbombs.blogspot.com/2020/03/


*井戸兵庫県知事の発言に関しては、こちらのブログでも紹介しています。
■放射性物質拡散を止めるために、地方自治体からできること
http://flowersandbombs.blogspot.com/2020/02/

また、丸尾まき議員から、県からの回答として下記のご報告をいただいております。
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兵庫県の回答を示し、各市町に「公共事業で汚染土壌を使わないよう」要請を!
              兵庫県議会議員 丸尾 牧
3月6日に、私が県当局に提出した新年度当初予算編成に対する申し入れの回答が届きました。内容は以下の通りです。
・申し入れ内容
原発事故により発生した放射性物質に汚染された土と公共事業で使わないこと。

・県当局回答
除去土壌由来の再生資材を利用することについては、十分な安全性が確保されていなければならず、さらに科学的知見の蓄積が必要と思われるが、客観的な分析途上である。また、安全性のほか風評被害への危惧など、デリケートな問題もあり、慎重な検討が必要であるなど、現時点において判断が出来る段階ではない。

県は、公共事業における汚染土壌の取り扱いには慎重であるため、次の取り組みは、その見解を使って、各市町に公共事業で汚染土壌を使わないよう要請することだと思います。
皆で力を合わせて、汚染土壌の拡散を阻止しましょう。
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上記の丸尾議員の提言は、ホームスイートひょうご♡緊急シンポジウムでもご紹介させていただいております。
詳細:さよなら原発神戸アクションブログでの報告文↓
http://sayogenkobe.blog.fc2.com/blog-entry-203.html

課長さんにもお渡ししたチラシ


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