2023/03/19

 

もしも若狭湾の原発のひとつでも事故を起こし、琵琶湖を放射能で汚染したら・・・ 神戸の飲料水はどうなる??~水質試験所の所長と面談した市民の覚え書き~

3月17日、神戸市議会の高橋ひでのり市議と共に神戸市の水質試験所に赴き、40年超えの原発を始め、ますます稼働が進む関西電力の原発群が放射能漏れ事故を起こしたら、神戸市はどのように安全な水を確保するのか?という一生活者としての不安に答えてもらうべく、水質試験所の所長さんと担当課長さんの説明を聞きました。

面談の様子



結論から言うと、所長さんを始め職員の皆さんは、神戸市民に安全な水を供給するべく、滋賀県のシミュレーション結果やセシウムの挙動などを検討し、具体的な原子力事故災害対応の計画を立てられていました。このブログでは、もしも原発事故が起きたら、どのようなことを神戸市は行うのか、市民は何をすればいいかを、私なりにまとめておきたいと思います。



1放射性物質拡散予測

琵琶湖流域における放射性物質拡散影響予測(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター)では、最も排出量が多かった福島3月15日の状況を想定して、様々なシミュレーションが行われた。詳細はリンク参照 https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/22748.pdf

結果のまとめ


注:OIL6とは、原子力緊急事態宣言時の原子力災害対策指針が定める指標のことで、飲料水で放射性セシウムでは200Bp/kg、放射性ヨウ素で300Bq/kg



2 神戸市の原子力災害対応

一連の対応は、神戸市水道局における原子力事故災害への対応について(平成28年4月改訂)のマニュアル https://kobe-wb.jp/wp/wp-content/themes/kobe_theme/pdf/suishitu/suidou-hozen/genshiryoku_manual.pdf に示されているが、ここでは、面談時に確認したことをまとめる。


神戸市の水道水の8割は、淀川水系(すなわち琵琶湖の水)を阪神水道企業団から得ているが、滋賀県のシミュレーションからすると、神戸に汚染された水が来るまでには、汚染についての情報をかなり得ることができ、また汚染は軽減されていると思われるが、神戸市水道局としては、少しでも安全な水を市民に供給するために動く。おそらく放射性セシウムが問題となってくると思われるが、数ベクレルでも検出された場合は、凝集沈殿処理などの措置をとることになる。


凝集沈殿処理の効果(水質試験所の面談で示された画像)




また、神戸市にも甚大な放射能汚染が起きた場合は、放射性ヨウ素の場合、塩素注入及び活性炭処理、放射性セシウムは凝集沈殿処理の強化により浄水の濁度管理を徹底する。また、飲料用としては、緊急遮断弁付き配水池、緊急貯水槽及び大容量送水管に貯留されている水を用いた応急給水や、経済観光局におけるペットボトル水の備蓄などを活用する。 



緊急遮断弁システムの画像(水質試験所の説明板)

この緊急遮断弁システムにより、配水池・緊急貯水槽・大容量送水管内に(約12万立方メートル)の汚染されていない飲料水を確保することができる。神戸市民ひとりあたりに必要な飲料水が一日3Lとすると、26日間の飲料水という計算になる。 


水道から流れることになる汚染された水は生活用水として使用し、飲料水は市内62カ所の給水拠点で供給されることになるだろう。給水拠点のサイト:https://kobe-wb.jp/oukyuukyuusui/




3 広報について

現在も神戸市水道局のHP(トップサイトから「水道を知る」をプルダウンして「水質について」をクリックする)の「水質検査」から、「水質検査報告」をクリックすると、年度ごとの報告が閲覧できる:https://kobe-wb.jp/suishitu/kensa/houkoku/


例:水質検査報告令和5年度2月分(放射性物質)



水道水の摂取制限等の措置を講じた場合は、テレビ・ラジオでの放送を要請するなど、市民への速やかな情報提供を行うことになるが、平常時にもしも水道水中の放射性セシウムの濃度が管理目標値(10 Bq/kg)を超過した場合などには、断水・赤水・災害情報サイト(https://kobe-wb.jp/dansuiakamizu/)で知らせることになるだろう。



市民として少し不安な点は、通常は放射性セシウム10 Bq/kg以上で飲用を控えるという基準が、原子力事故時には200 Bq/kg以上で控えるという、根拠のない国の基準があること。

平常時でも事故時でも、水質検査報告では「1ベクレルが検出されても必ず公表する」ということだが、1~9 Bq/kgほどの水道水の汚染の場合については、災害情報サイトで広報されるのかがよくわからないこと。よって、小規模の放射能漏れ事故などが起きた場合は、前述の「水質検査報告」を、自ら確認するように心がけておくことが大切かと思う。



面談を終えて

面談を終えて、ゲルマニウム半導体検出器を見学させてもらいました。とても精密な機器だそうで、維持費もかかるそうですが、いざ事故が起きた時には、自前でこの検出器を持っていることはデータの収集にとても大切、なぜなら事故時には検査機関に、多くの自治体からの検査の依頼が殺到し、即時のデータが得られないだろうから、とのことでした。


福島第一原発事故時の関東・東北の状況についても所長さんはよく調べられているようで、12年前の事故を検証し、今後近畿で起こりうる原発事故に、どのように対応し、神戸市民にいかに安全な水を供給するかを真剣に考えられていることが、お話の内容からよくわかりました。

見学を終え、所長さんたちが、玄関まで見送ってくださったので、福島県で原発事故に遭遇した友人は、飲料水が放射能汚染されたことを、東京での水の汚染のニュースを見るまで、知らないままであったことを話し、

「原発事故が起きたら、現場はたいへんだと思いますが、データをとり続け、市民にしっかり届けてください。」と最後にお願いしましたら、所長さんは、「承知しました」と深くうなずかれました。


神戸市民として、水道局の取り組みに感謝するとともに、もしもほんとうに重大な原発事故が起きたら、水道局の職員さんは被ばくの危険にさらされながらも検査や給水作業を続けなくてはならない、他の様々な業務に従事する職員さん、市民も・・・、想像すればするほど、原発事故は二度と起こしてはならないとの思いを一層強く持ち、水質試験所をあとにしました。


神戸の飲料水を守る
ゲルマニウム半導体検出器


++ 関連ブログ ++

この面談のきっかけとなった「わたしから神戸市への提案」について

■7世代に思いをはせて【第751号】12年前よりも高まる危険性に・・・

https://nanasedai.blogspot.com/2023/03/75112.html


面談終了直後に書いたブログ

■7世代に思いをはせて【第753号】安全な水を求めて@水質試験所

https://nanasedai.blogspot.com/2023/03/753.html 


 ++ 後記 ++

12年前の3月、神戸に住む私は、ドイツ気象台の発表する放射能拡散予測図を毎日見ていました。原発から放出された放射性物質がどこにゆくかは、風向き、降雨、地形できまり、その上、目にも見えず、においもしない放射線・・・。事故当時福島原発から60キロほど離れた町に住んでいたある女性は、毎時20マイクロシーベルトを超える空間線量の中で、子どもを連れて給水の列に並んでしまった、知らされてなかったと語ってくれたことも、改めて思い出します。


今回面談した神戸市水道局の職員の皆さんは、福島原発事故を元に事故対策を考られており、その対策そのものには敬意を表します。しかし、福島原発事故においては、使用済み核燃料プールが壊れれば東日本壊滅かと危ぶまれる事態であったのが、奇跡の連続で免れただけだったことを考えると、神戸から100キロほどしか離れていないところに林立する原発群は、私たちの暮らしを根底から壊してしまう危険をはらんだ存在だと思います。


なぜ、このような原発、それも運転から40年を超えた危険な原発を動かすことに、国も電力会社も固執するのか?それは、国民のためではなく、一部の原子力関係者の利権のためではないかと、つくづく思います。

このような負の遺産は、なんとしても私の世代で終わらせたいです。


春の始めに、天をつきさすように咲く木蓮には、
いつも強い意志を感じます





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