2019/01/06

 

放射性汚染土・廃棄物を拡散しないために


2019年の幕開けです。今年は春に統一地方選挙、夏に参議院選挙が予定されているので、ひとりでも多く私たちの暮らしを守るために働いてくれる議員を誕生させたいと思っています。そして、その議員たちと一緒に力を尽くしたいと私が願っているのは、放射性汚染土・廃棄物の拡散防止です。

これまでも拙メールマガジン「7世代に思いをはせて」や当ブログでも時々触れてきた8000ベクレル/kg以下の放射性汚染土の再利用問題(本来ならば100ベクレル/kg以上のものは低レベル放射性物質として厳重保管)ですが、お正月休みに毎日新聞記者の日野行介著『除染と国家 21世紀最悪の公共事業』を読み、いろいろと考えることがあったので、一度私なりに考えをまとめてみることにしました。(放射性汚染土再利用計画の詳細は後記リンク一覧をご覧下さい。)


放射性汚染土が詰められた
フレコンバッグの山
飯舘村(2017年1月)友人のE氏撮影
再利用は必要か?

福島県内の除染に伴い発生した土壌や廃棄物等は、2200万立方メートル(東京ドーム14杯分)と推計されており、環境省の計画では、東京電力福島第一原子力発電所を取り囲む形で大熊町・双葉町に整備する中間貯蔵施設で、最終処分までの間、安全に集中的に貯蔵することになっています。

ところが、その運搬に膨大なトラックが必要で目処がたたないとか、中間貯蔵施設のための十分な土地が確保できずにいるとのことで、少しでも容量を減らそうとして、8000ベクレル/kg以下の汚染土を公共事業や農地造成に再利用しようという計画が持ち上がり、現在、環境省は汚染土の上に汚染されていない土をかぶせるなどして放射線量を計測するというような「実証実験」を実施しています。

しかし、ほんとうにこの2200万立方メートル(東京ドーム14杯分)は、管理不可能な容量でしょうか?

たとえ公共事業に使ったとしても、環境省の推計では、例えば5000ベクレルが100ベクレルまで減衰するのには170年がかかるそうです。そして、土木建造物の耐用年数が70年とされていますので、その状態で保持しようと思うと70年ごとに土木工事をしなくてはなりません。

それならば、日本のいたるところで汚染土を公共事業に再利用し、70年ごとに2度、3度と土木工事をするよりも、中間貯蔵施設を70年に一度建て替える計画で一括管理した方が、よほど効率的ではないでしょうか?


2200万立方メートルの土とは?

この2200万立方メートルの土とはどのぐらいの量かを把握するためにちょっと調べてみましたら、あの辺野古米軍基地の建設に必要な埋め立て用土砂が2100万立方メートルで、ほぼ同じ量でした。あれだけの土砂を沖縄県内だけでなく瀬戸内海の島々からも運び込むことを考えると、福島県内での同等量の土砂の移動がそれほど不可能なこととは思えません。

また、辺野古の米軍基地の面積は160haです。環境省が予定している中間貯蔵施設の総面積は1600ha。辺野古の160haの10倍です。1600haの内330haが公有地ということですから、そこに汚染土を貯蔵する建造物を造ることは可能ではないでしょうか?ちなみに2200万立方メートルは東京ドーム14杯分ですから、東京ドームを14個造るとすると(東京ドームの敷地面積4.7ha×14)65.8haです。


集中管理の可能性

そしてその貯蔵用建造物を330haの敷地内で70年ごとに建て替えるのです。何を悠長なことをと思われるかもしれませんが、20年ごとに立て替える伊勢神宮にならって、70年ごとに貯蔵用建造物を建て替える法律を作ったらどうでしょうか?20年ごとの遷宮を1300年間行ってきた日本ならば、まったく可能なことではないでしょうか?


福島県内だけではなく、関東一円で保管されている放射性汚染土。現在は、各自治体が保管しているようですが、これも8000ベクレル/kg以下ならば普通ゴミとして処分できるようになっています。しかし、それに従って処分した自治体はほとんどないようです。各自治体も覚悟を決めて、一括集中で厳重保管の方針を採った方が、住民も安心して暮らせるのではないでしょうか?

経済的に可能か?という問いもあるでしょうが、土木工事に再利用した場合でも70年ごとの被曝防御をしながらの土木工事には膨大な予算が必要でしょうし、また新型の高速増殖炉などにかける予算よりももっと有意義な税金の使い方だと思います(本来、東京電力に請求するべきですが)。


放射能汚染防止法の必要性

8000ベクレル/kgはれっきとした放射性廃棄物です(繰り返しますが、今でも原発敷地内では100ベクレル/kg以上は低レベル放射性廃棄物として厳重管理です)。それを一般ゴミだと「ごまかして」焼却したり、全国の公共事業で再利用などして拡散してはなりません。

2012年に放射性物質適用除外規定の環境基本法13条が削除され、放射性物質も他の有害物質と同様に法律上公害原因物質に位置づけられました。公害と認定されたからには、これまで「希釈すればいくらでも排出可」という状態ではなく、総量規制が可能です。まだそのベクレル量、放射線量の規制値が決まっておらず、すなわち罰則も決まっていませんが、法整備をしていくことが必要ですし、また県や市の条例で決めていくことも可能です。

国レベルで、法律を整備すること、また福島県の中間貯蔵施設の基本的な計画の見直しを追求していくことと同時に、自分たちの住む自治体で、「放射性物質は公害で、受け入れられない」という条例をつくっていくこと・・・日本の未来を守るために、私はひとりの国民としてしっかりと取り組んでいきたいと思っています。



* 参考サイト一覧 *
『除染と国家』を読もう!と思わせてくれたインタビュー記事。「ウソ」で日本中被ばくさせられるのはまっぴらと思い、しっかり読んで、いろいろ自分なりに考えさせてもらいました。
      ↓
■「原発は正しい」というフィクションを守るために官僚はウソをつく
『除染と国家』著者・日野行介インタビュー【後編】社会
週刊プレNEWS 2018年12月15日
https://wpb.shueisha.co.jp/news/society/2018/12/15/107764/


-放射能汚染防止法について包括的な資料です。-
■山本行雄弁護士講演資料
集会「放射能汚染防止法」制定に向けて
2017年3月27日@参議院第二議員会館
http://www.foejapan.org/energy/fukushima/pdf/170327_1.pdf


-環境省のサイトより-
1■中間貯蔵施設の概要
http://josen.env.go.jp/chukanchozou/about/

2「中間貯蔵開始後30年以内の県外での最終処分に向けて、再生資材化した除去土壌の安全な利用を段階的に進めるため」の解説資料
■「除去土壌再生利用実証事業について・資料3」
http://josen.env.go.jp/chukanchozou/facility/effort/investigative_commission/pdf/proceedings_180329_03.pdf


-辺野古米軍基地に関して-
■辺野古新基地建設事業に関するファクトシート
http://www.foejapan.org/aid/henoko/pdf/background.pdf

■沖縄辺野古移設の埋め立て用土砂の調達候補地とされる鹿児島県奄美大島で「岩ズリ」搬出がはじまる 8 bit news 2016/01/30
http://8bitnews.org/?p=7224


-放射性汚染土の拡散問題について-
拙ブログ、メルマガよりふたつ
1■Words for Peace:
東京電力福島第一原発事故より6年後 ~被ばくの強要~
http://flowersandbombs.blogspot.com/2017/03/

2■「7世代に思いをはせて」
【第504号】大切なことは・・・
http://archives.mag2.com/0000273399/20180609100000000.html

この問題がとてもわかりやすくまとめられている記事↓
■環境省「原発の汚染土、行き場がないからもう農地の造成にも再利用しちゃえ!」
BUZZAP 2018年6月4日
https://buzzap.jp/news/20180604-nuke-waste-recyle-agriculture/


-放射性廃棄物についての環境省の考え方-
■放射能濃度が8,000Bq/kg 以下の廃棄物の処理について 環境省
http://shiteihaiki.env.go.jp/initiatives_other/conference/pdf/conference_09_04.pdf
「放射能濃度が8,000Bq/kg以下の廃棄物について、独自に設定した一定濃度以上の廃棄物又は特定一般廃棄物若しくは特定産業廃棄物を区域内に搬入することを制限したり、廃棄物処理業者に対して取扱いの禁止を指導するようなことは、科学的・法的にも根拠のないものである。」同サイト5ページより抜粋


-日本的な保管方法を思いつかせてくれた伊勢神宮のサイト-
■式年遷宮の歴史
http://www.isejingu.or.jp/sengu/senguhistory.html


追記(2019年3月18日)
福島県外の特に関東、東北の皆さま、汚染土のゆくえに厳重注意です。 →「環境省は、福島県外の除染土の埋立処分をすすめるため、放射性物質の濃度によって上限を設けることなく、埋立処分できるとした環境省令およびガイドラインの記載案を発表しました。」
詳細は

■福島県外の除染土埋立処分で環境省令案~濃度制限なし、地下水汚染防止策なし FoEJapan

 https://foejapan.wordpress.com/2019/03/18/0318/





This page is powered by Blogger. Isn't yours?