2018/02/28

 

東日本大震災7年を来月にひかえて



2月10日の午後、「夢・幽霊・死生観からの社会構造-東日本大震災7年を迎えて-」と題する金菱 清先生(東北学院大学)の講演会で長田区の御蔵へ行きました。

津波の犠牲者と思われる幽霊の話は、写真に紹介しているタクシーの運転手さんの話がよく知られていますが、私も東北で慰霊活動をされている神戸の僧侶の方から幽霊の話を聞いたことがあり、「幽霊でもいいから子どもに会いたい」と言って、その幽霊が出るという場所に通う親御さんたちのことを聞いていました。

金菱先生はこの7年間の遺族の皆さんの声の収集と調査を体系的にお話しくださいましたが、そこから思うのは「死者と生きている自分を分断したくない」という死者への愛情。幽霊や夢として、今自分が生きている空間、時間に、死者も包摂できることが、残された者にとって、大きな救いになるのではと思いました。

現代社会は、この物質的世界で物質を纏っている物だけが存在していることになっていますから、死というものが、自分と愛する者を大きく分断してしまう構造になっている・・・それがより一層残された者を孤独にさせてしまうのかもしれません。

夢に救われることってありますよね?
私も父の四十九日の後、父が夢に出てきて、とてもきれいな花と透明なイチゴをくれました。きっと浄土にたどり着いて、素敵なものに囲まれているから、私にも分けにきてくれたんだなと思うと、とても安心しました。

昔はこういうことがもっと気軽に皆と話せて、救われていたのじゃないかなと思います。

写真は、タクシーの運転手さんの記事と、金菱先生の著作の数々です。じっくり読んでみたいものばかりです。



      ***   ***   ***

  

川崎哲さん

ノーベル平和賞

同じく2月10日の夜、ノーベル平和賞を受賞されたICANの川崎哲さんの講演会に参加しました。
今回の受賞理由である核兵器禁止条約の成立に、どれだけ広島、長崎の被爆者の方々の存在が大きな意味を持っていたか、すなわち被爆者の方が悲惨な体験を語ってくれたことで、核兵器の非人道性を知らしめてくれたからこそ可能になったことだったと川崎さんは話してくださいました。

後半は主催の東日本大震災避難者の会(Thanks & Dream)代表の森松明希子さんとのトークで、その中で森松さんがおっしゃったことに、とても感銘を受けました。

「広島・長崎の被爆者の方たちが語ってくれたことで核兵器禁止条約ができたということなら、原発被ばく者の私たちが世界に発信していって、「原子力の平和利用」を禁止させたい。」

今回の核兵器禁止条約では、「平和的原子力利用は各国の奪いがたい権利で ある」と明記されています。しかし、原発事故の悲惨さを世界に語ることによって、それを変えていきたい・・・

私はその発想と勇気に、とても感動しました。

私も森松さんらに微力ながらも協力させてもらって、
原発を日本からも世界からも一掃するぞ~~と大いなるビジョンを胸に、帰路につきました(*^_^*)


写真は、森松さん、川崎さん、そして世界のヒバクシャについて報告されたチェイス洋子さん。カザフスタンやマーシャル諸島など、世界中に核実験やウラン鉱山によるヒバクシャが存在することに、会場から驚きの声があがりました。

森松明希子さん



チェイス洋子さん












【追記】
そして、「原発被ばく者の私たちが世界に発信する」とおっしゃっていた森松明希子さんが、3月にジュネーブでの国連人権理事会の本会議で、原発避難者の実態をスピーチするとのニュースが!有言実行の素晴らしさに感銘を受けております。

■原発事故の避難者 国連人権理事会に初出席へ 支援継続を訴え
NHKニュース 2018年2月24日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180224/k10011341521000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_001


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