2019/10/19

 

満員御礼!@アーサー・ビナード講演会 with みんなのデータサイト「ちっちゃいこえ」があつまって


9月21日の「アーサー・ビナード講演会 with みんなのデータサイト『ちっちゃいこえ』があつまって」(さよなら原発神戸アクション主催)。当日は雨も心配されるお天気でしたが、たくさんの方にご来場いただきました。
東電経営陣無罪判決の新聞を掲げる
アーサー・ビナードさん


第1部では、紙芝居「ちっちゃいこえ」(丸木俊・位里夫妻が1950年から約30年かけて描いた原爆の図」をもとにした紙芝居)とアーサーさんのウィットに富むトークで、しっかり内部被ばくの恐ろしさを認識。内部被ばくを「鼻唄三丁矢筈斬り」と落語で説明されたのは、すごかった!「鼻唄三丁矢筈斬り」とは、侍の斬り方があまりに見事で斬られたことに気づかず歩き回り、やがて体が破たんするということですが、被ばくで「斬られ」ていても、病気になったりするのが遅いから、誰が「斬った」かわからない(だから東電の経営陣も無罪)・・・まさに内部ひばくの恐ろしさです。


大沼淳一さん

第2部は、みんなのデータサイトの大沼さんから、汚染廃棄物や汚染土の現状を説明していただきました。今でも原発の敷地内では原子炉等規制法の通りに、100bq/kgを超える放射性廃棄物はドラム缶で厳重管理なのに、原発事故で外に出てしまった放射性物質に関しては8000bq/kg以下ならば放射性物質とみなさないことになってしまった。それは、事故後「当面の考え方」とされていたのに、その後、議員立法で放射性物質汚染対処特措法として法律となってしまった。大沼さんも悪の根源の法律と呼んでいました。
中村奈保子さん

同じく「みんなのデータサイト」の中村さんから土壌汚染がよくわかる「放射能測定マップ」のこと、特に簡易英語版が昨日発売だったので、2020年オリンピックを前に、海外に日本の状況を説明するのに活用できますよとご紹介いただきました。


小橋かおる
私(小橋)は放射性物質汚染対処特措法という悪法を止められるのは地方自治だ!と訴えさせてもらい、放射能汚染防止のために法整備を求める意見書を県議会や市議会から国会に出してもらう活動や、神戸市長に放射性汚染土の規制に関して問う「神戸市長への手紙」についての活動紹介をしました。 
丸尾兵庫県会議員

ちょうど震災瓦礫の焼却処分問題などで動いてくださった丸尾まき県議が来場だったので、あの当時兵庫県知事から「100ベクレル/kg以下と証明できるなら受け入れる」との発言を引き出したことを紹介してくださり、市民と議員のつながりの大切さを改めて認識しました。


最後の座談会では、汚染水をどうするか、特に「大阪湾に流す」という大阪市長の発言を撤回させるアクションについての情報共有などありました。


もりだくさんの内容で、ブースもたくさんで、私を筆頭にスタッフはバタバタしてて、様々ないたらぬ点があったと思いますが、今回のイベントに参加いただいた皆さま、また賛同団体の皆さま、イベントを共有してくださったすべての皆さまに、心から感謝いたします。


当日の様子は、下記の動画でご覧いただけます(紙芝居「ちっちゃいこえ」上演部分は著作権の関係上カットさせてもらっています)。
■20190921 「ちっちゃい こえ」があつまって 第1部アーサー・ビナード講演会
https://www.youtube.com/watch?v=OhrqRoZji58&feature=youtu.be
■20190921 「ちっちゃい こえ」があつまって 第2部 トーク・セッション
https://www.youtube.com/watch?v=6lw_Z3COwbo&feature=youtu.be

当日の会場の様子
賛同団体一覧掲載のチラシ裏面


2019/07/01

 

7世代に思いをはせて ~放射能汚染から子どもたちを守るために~





2019年6月29日、 神戸YWCA平和活動部の皆さんのお招きで、学習会の講師を務めさせていただきました。当日のレジュメを掲載いたします。                   
             


はじめに
私は1964年生まれ。これまで不可解に思ってきたことがいくつかありました。幼い頃、テレビでよく見た大気圏内核実験。巨大なきのこ雲が立ち上り、広島の何十倍とか何百倍とかの破壊力だと聞いた。漫画の『はだしのゲン』を読んでいたので、「そんな大きな原爆を爆発させて、周りの人は大丈夫なのかな?」と子供心に思ったが、周りの大人もテレビも心配しているようには見えなかったので、「大丈夫なんだな」と自分を納得させた。

1990年代の20代の頃、毎日アメリカのTVニュースを見ることが習慣だった。いろいろ不思議なニュースはあったが、その中でもずっとひっかかていたものはアメリカの女性の乳がんの発症率の高さ。当時アメリカでは8人に1人が乳がんを発症すると報告されていた。日本では当時は25人~30人に1人。それまでも化学産業などによる大気汚染などが原因ではと指摘されていたが、当時のアメリカでは更年期障害を軽減するために処方されていた薬が乳がんの発症率を高めていると連日取り上げられていて、「アメリカ人は薬が好きだからな」と私なりに納得していたが、今から考えると、スリーマイル原発事故などの被ばくの影響はまったく語られていなかった。

90年代後半から2000年代、イラクで白血病の子どもたちや先天性の障害を持って生まれてくる赤ん坊が増えていることを知った。多くの人が劣化ウラン弾の関連を訴えたが、アメリカは「因果関係はない」と断固否定した。さすがに納得できなかった。思えばこの頃から独自に放射能汚染について情報を集めるようになった。

そして、2011年3月11日、福島第一原発で事故発生。外部電源が確保できず原子炉を冷却できない状態が続いた。冷静にそして理論的に考えると、数時間後にはメルトダウンが懸念されたが、東電も政府もそれを否定。次々と原子炉建屋が水素爆発を続けても、政府は「ただちに健康に影響はない」と繰り返し、事故から8年となる現在においても、国を挙げて事故の影響を小さく見せようと動いているようにしか、私には見えない。


おそらく多くの人は、子どものころの私のように、周りもテレビも心配しているようには見えないので、「大丈夫なんだな」と自分を納得させているのでしょう。




原発事故から9年目の今

先日、このようなニュースが届きました。
■横浜の保育園で“汚染”土騒動 園児2人が白血病発症 市は動かず
AERA.dot 2019年6月1日 https://dot.asahi.com/wa/2019060100003.html?page=1


横浜市の保育園で園児ふたりが白血病を発症し、保護者の方たちが市に「汚染土壌の移設」を要請したのですが、それを横浜市は拒否したのです。
このニュースに愕然とし、この要請が出され、審議された横浜市議会のインターネット中継録画を見ました。

横浜市内の保育園でふたりの子どもが白血病を発症したことを受けて、
2019年5月29日、こども青少年・教育委員会に出された二つの請願。
請願第 4 号 市内保育園等における白血病発症の実態調査等について
請願第 5 号 市内の学校及び保育園等における放射能汚染土壌の撤去等について
これがおよそ30分の審議の後、不採択となったのです。

その検討の様子を見ましたが、「汚染土壌」の撤去よりも、「保護者の不安を取り除く」ことが重要と、自民党、公明党の議員を中心に繰り返し述べていました。
「不安を煽らないように」除染後に発生した「土壌」(彼らは汚染土壌と言われるのも心外なようです)を撤去しないとの言い分ですが、そこにどれだけの量の土壌が埋められているのかも市は答えられないのが現状です。

保護者の不安を取り除くには、しっかりとした調査を。
空間線量でなく、きちんとベクレルで危険性を語るべきです。

その横浜市の委員会で職員や議員らは、「福島県でも原発事故由来の白血病や甲状腺ガンの上昇は見られない」と言っていました(だから園内の「土壌」は関係ないと)。

福島第一原発事故以前は、子どもでは100万人に1人か2人しか発症しないと言われていた甲状腺ガン。今週発表された、福島県の甲状腺検査の2巡目(14年~15年度)でも、約27万人が受診し、このうち71人に、ガンまたはガンの疑いが発見されたとの報道がありました。それでも「原発事故による被ばくとは(現時点で)関連ない」との発表。

あなたは納得できますか?              
                                                               
引用メルマガ                           
■7世代に思いをはせて【第556号】横浜からの続報 https://nanasedai.blogspot.com/2019/06/556.html                                  


内部ひばくの危険性~セシウムボールのゆくえ~

除染により発生した放射性汚染土は、なぜ危険なのでしょう?

福島第一原発事故により環境中に大量に放出された放射性物質。その中でも大量に放出された放射性セシウムの半分が不溶性のいわゆる「セシウムボール」であったことが報告されています。そのセシウムボールは、福島県を中心に、関東地域全般や宮城県に飛散し、降下し、多くが土に沈着したと考えられるます。除染によって集められた土壌にも多くのセシウムボールが含まれているでしょう。

セシウムボールというのは、一言で言えば、不溶性すなわち水に溶けない放射性セシウムの微粒子です。純粋の(放射性)セシウムは水に溶けるので、体内に取り込んでも、汗や尿として排出され1000日もすれば体内から検出されなくなると言われますが(それでも十分被ばくの危険性はありますが)、一方、原発事故で発生したセシウムボールは、水に溶けない金属やセラミックのまざった微粒子であり、体内に取り込むと、溶けることなく体内に沈着し、そこで局所的に強烈な放射線(ベータ線)を相当長い期間にわたって出し続けるということです。


このような放射性微粒子が空気中に漂っていたころ、鼻から吸い込めば鼻の粘膜に付着し細胞を壊すことを考えると、鼻血がでることも当然と思われます。

具体的な数値を見ると、長崎大学の高辻教授の計算では、プルトニウムのアルファ線の1本が細胞の核にあたると、24シーベルトに相当するということです。放医研の研究では、プロトニウムのアルファ線が細胞核にあたると、3分の2は細胞死すると仮定されています。

また、ヨウ素は甲状腺に溜まることが知られていますが、セシウムは全身の筋肉に集まりやすいこと、そして、セシウムに限りませんが、被ばくによる免疫低下も懸念されています。

詳しくは、郷地秀夫医師の講演(さよなら原発神戸アクション主催)をご覧ください。

■動画 ここまでわかった内部ひばく~セシウムボールのゆくえ~
https://www.youtube.com/watch?v=uQJ4Ne9UjMA&feature=youtu.be
こちらの動画は2時間に及びますので、要点だけ拙ブログにまとめてみました。
  ↓
■ここまでわかった内部ひばく~セシウムボールのゆくえ~(引用ブログ)
Words for Peace 2019/6
https://flowersandbombs.blogspot.com/2019/06/ 



放射能汚染防止法の制定に向けて

2019年5月13日、超党派議員連盟「原発ゼロの会」が、福島県内外の除染作業で生じた放射性汚染土の処置についての「意見聴取会」を衆議院第一議員会館で開催しました。当日の動画はhttps://www.youtube.com/watch?v=dhT9H9iNqE4で見ることができ、
また当日配られた資料も「原発ゼロの会」のサイト
http://blog.livedoor.jp/gempatsu0/archives/16379213.htmlにリンクされていますので、それらを拝見し、改めて放射能汚染防止法の制定に向けた取り組みが必要であることを感じました。


簡単に「意見聴取会」をまとめると、まず環境省の従来通りの説明から始まり、放射性物質汚染対処特措法(特措法)に基づいて行われた除染作業で生じた福島県内の最大2,200万m3とも言われる「除去土壌=放射性汚染土」を、「中間貯蔵開始後30年以内に福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずる」が故に、8,000Bq/kg以下の放射性汚染土を、覆土・遮蔽などの飛散防止対策を行った上で公共事業で再利用する方針とし、福島県外(岩手、宮城、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川など)の放射性汚染土に関しては、放射性物質の濃度の上限を定めず、30cmの覆土を行った上で埋め立て処分を可能とする省令案・ガイドライン案を発言。

それに対して、市民団体や環境NGOなどから12件の意見が表明されました。そのほとんどが、この環境省の案に対しての懸念でした(元原子力規制庁の田中俊一氏「放射性物質のリスクばかりを言うが、リスクがないものなどない。汚染土の再利用を拡散だというが、他に現実的な手段があるのか。」の旨の発言は除く)。
国際的放射線防御スタンダードから大幅に逸脱しているこれらの環境省令案への懸念については、当日意見表明されたFoE Japanさんのサイトが詳しいので、そちらをご覧ください。

■「8,000Bq/kg以下の除染土を公共事業で再利用」方針の矛盾と危険性(解説と資料を掲載しました)FoE Japan https://foejapan.wordpress.com/2016/05/02/8000bq_problem-3/

■福島県外の除染土埋立処分で環境省令案~濃度制限なし、地下水汚染防止策なし 
FoE Japan https://foejapan.wordpress.com/2019/03/18/0318/


さて、現在でも原発構内では100Bq/kg以上の放射性物質は低レベル放射性廃棄物として厳重保管にもかかわらず、なぜ福島県内の除染から発生した放射性汚染土は8,000Bq/kg以下ならば安易な再利用が許されたり、はたまた福島県外では放射性物質の濃度の上限を定めず、30cmの覆土を行っただけで埋め立て処分が可能になるのか?

それは、この意見聴取会でも何度も指摘されていた法律、2011年8月に制定された放射性物質汚染対処特措法(特措法)と、2013年に改訂された環境基本法の不備のせいであるようです。

その特措法の問題点を、山本行雄弁護士の「放射能汚染防止法整備運動ガイドブック2016年10月改訂版」を参考に見てみましょう。


汚染対処特措法(「平成 23 年 3 月 11 日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法」 2011 年 8 月 30 日成立)
附則 6 条 政府 は、放射性物質により汚染された廃棄物、土壌等に関する規制の在り方その他の放射性物質に関する法制度の在り方について抜本的見直しを含めて検討を行い、その結果に基づき、法制の整備その他の所要の措置を講ずるものとする。


この汚染対処特措法は議員立法により成立したものですが、「法制度の在り方の検討」も「法制の整備その他の措置」も「政府」すなわち行政に丸投げしています。国の唯一の立法機関である国会の審議なしに、行政が検討し法整備をするという代物で、それゆえ環境省が「検討」し、原発構内ではあり得ないレベルの放射性汚染土を公共事業に再利用するという方針を出してくるわけです。

また、国会が立法府としての仕事を果たしていない法改正が、2013年の環境基本法改定です。山本氏によると
「福島第一原発事故後、放射性物質を公害・環境関係法から全面的に適用除外にしてきたことが問題として浮上しました。汚染対処特措法制定の際、法制度の「抜本的な見直し」をすることを決めました(同法附則 5 条)。その後、環境基本法、大気汚染防止法、水質汚濁防止法などの放射性物質適用除外規定は削除されました。しかし実質的な法整備は殆ど行われていないのが現実です。」(p.122)

「具体的な公害法の改正は、大気汚染防止法と水質汚濁防止法の常時監視と公表制度の改正にとどまり、環境基準も規制基準も定めていません。土壌汚染対策法を始め他の公害・環境法令は未整備のまま放置されています。」(p.130)


「言うまでもなく、国会は、国権の最高機関であり、唯一の立法機関である。(憲法 41 条)。国会が、自ら立法機関としての役割を行政に丸投げしている現状は、違憲状態にあると言わなければならない。国会は、立法機関としての機能を回復しなければならない。我々は、国会が立法機関としての責任を放棄している現状を強く非難し、次の要望をする。

 記
① 環境基本法改正に伴う放射性物質に関する関連法の整備を行政府である政府に丸投げしている現在の方針を改め、国会が自ら行うこと。(中略)
⑤ 放射能汚染に関する公害防止の基本方針として、環境基本法に、放射能汚染物質の取扱・廃棄・処分については、希釈拡散をしてはならず、不拡散・集約管理を原則とする条項を設けること。
⑥ 環境基本法改正に伴い、土壌汚染その他の公害の規制に関する法律の放射性物質適用除外規定を削除すると共に、環境基準、規制基準を整備すること。
⑦ 放射能汚染の公害規制法の整備に当たっては、原子炉等規制法の基準設定如何に係わらず、公害法独自の制度として、人の健康と生活環境を保護法益とし、排出口における総量規制を定め、放射性物質の環境への放出に対し厳しい罰則をもって規制すること。 具体的環境基準、規制基準の設定については、たとえば、セシウム 137 については、環境基準、規制基準ともに「検出されない」とすること。
⑧ 放射性物質の適用除外規定が削除された大気汚染防止法及び水質汚濁防止法に関する環境基準と規制基準(排出基準及び排水基準)については、政令・省令事項である現行法を改め、国会が自ら立法をもって定めること。
⑨ 放射性物質に関する規制基準違反の罰則は、その被害の重大性に対応した重罰の特別規定を設けること。
⑩ 3.11 汚染対処特措法に代えて、環境基本法の特別地域指定に関する特別法として位置づけをした不拡散・集約管理の原則、環境基準や規制基準、事業者の除染義務などを内容とする公害規制法として整備すること。
⑪ 放射能土壌汚染については、既存の土壌汚染対策法、農用地土壌汚染防止法の放射性物質適用除外規定を削除すると共に、放射能土壌汚染に対しては、重い罰則をもって規制すること。漏洩企業の除染義務、賠償義務を定め、賠償については賠償保険の加入など賠償資力の保持を義務づけること。(後略)」(pp.204-205)
(事故由来の放射性物質に関連するもののみ抜粋)


私たち有権者にできることは、まずは上記のような環境基本法の法整備を求め、特措法を「放射能汚染防止法」に変えるよう国会に働きかけることでしょう。そのためには、選挙でこの法整備のために動いてくれる議員を選ぶこと、そして、地方自治体の議会に、法整備の意見書を採択するよう働きかけることです。すでに小樽市議会では採択され、札幌市議会では全会一致で採択されたとのことです。*1

全国の自治体議会から同様の意見書が出されれば、国会の争点にもなるでしょう。日本に住む私たち、そして未来の住人をも被ばくし続ける放射性物質は無造作に扱ってはなりません。必ず国会で審議させ、しっかりとした放射能汚染防止法を制定させなければならないと強く思います。


また、国会を動かすことが難しければ、各自治体が条例という形で、その拡散を止めることもできます。そのためにも、環境省の進める放射性汚染土の再利用や埋め立て政策を皆に知ってもらい、地方自治体議会議員に意見書採択を陳情し、国会議員に働きかけることから始めましょう。

現在の安易な放射性汚染土の処置案は、法整備の不備から生じているものならば、それを止められるのはやはり立法。私たちの力で放射能汚染防止法を制定しましょう。


*1「制定しよう 放射能汚染防止法」山本行雄著 
  ブイツーソリューション2016年刊 p.154

参考サイト
■山本行雄弁護士「放射能汚染防止法整備運動ガイドブック2016年10月改訂版」
https://www.yukio72.com/よりダウンロードできます。
意見書や陳情書の例文も掲載されています。

引用ブログ
■小橋かおるブログWords for Peace
放射能汚染防止法の制定に向けて
http://flowersandbombs.blogspot.com/2019/05/

放射性汚染土はどのように集中管理できるのか・・・
その方法をブログで提案しています。
    ↓
関連ブログ
小橋かおるブログ:Words for Peace
■放射性汚染土・廃棄物を拡散しないために
http://flowersandbombs.blogspot.com/2019/01/


+++ これからもどうぞよろしくお願いいたします  +++
「花と爆弾」(http://www1.plala.or.jp/cheko/kaoru/)のHPを検索していただければ、小橋かおるのブログやメールマガジンがリンクされていますので、ぜひ、お読みください。
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当日の様子。司会は神戸YWCAの寺沢さん(左)





2019/06/09

 

ここまでわかった内部ひばく~セシウムボールのゆくえ~



2019年6月2日、放射能社会を生きる連続セミナー第10回「ここまでわかった内部ひばく~セシウムボールのゆくえ~」を、私が共同世話人を務めるさよなら原発神戸アクションで主催しました。講師には2013年の第1回セミナーと同様に郷地秀夫医師をお迎えし、6年前はわからないことだらけだった内部ひばくについて、「ここまでわかった」ことをお話しいただきました。最新の研究から得られた知見もわかりやすく説明してくださり、立ち見まででて会場にあふれる参加者の皆さんも、最後まで熱心に聞き入ってくださいました。
講演と質疑応答部分を録画し、公開しておりますので、ぜひご覧ください。
動画 ここまでわかった内部ひばく~セシウムボールのゆくえ~
https://www.youtube.com/watch?v=uQJ4Ne9UjMA&feature=youtu.be

とは言え、2時間に及ぶ動画ですので、このブログでも簡単に内容をご紹介してみようと思います。


セシウムボールとセシウムの違い

郷地秀夫医師
一言で言えば、純粋の(放射性)セシウムとは水溶性であり、セシウムボールとは、不溶性すなわち水に溶けないセシウムを多く含む微粒子です。セシウムは水に溶けるが故に、体内に取り込んでも、汗や尿として排出され1000日もすれば体内から検出されなくなる(生物的半減期の影響)と言われるもので(それでも十分被ばくの危険性はありますが)、一方、セシウムボールは、水に溶けない金属やセラミックのまざった微粒子であり、体内に取り込むと溶けることなく体内に沈着し、そこで局所的に強烈な放射線(ベータ線)を相当長い期間にわたって出し続けるということです。


これまでの研究室で扱うような「純粋な」セシウムではなく、原発事故によって発生した「不純物」のセシウムボール・・・これが今まで言われてきたような「生物的半減期」とは異なり、体内に留まり、長い年月をかけて細胞を被ばくする・・・このことを郷地先生は福島第一原発労働者の内部被ばく調査と、長崎、広島原爆被爆者の臓器に残る不溶性放射性物質の写真をもとに説明してくださいました。


飛散したセシウムボール   


さて、そのように体内に取り込んでしまうと非常に危険と思われるセシウムボールは、福島第一原発事故でどれほど排出され、どこまで飛散していったのでしょう?

セシウムボールを確認し、最初に報告されたのは茨城県つくば市にある気象研究所の足立幸次先生で、その研究によると、福島原発事故で放出された放射性セシウムの半分は不溶性の金属粒子の形で飛散し、範囲は福島県を中心に、関東地域全般や宮城県に及んでいることが示されました。


セシウムボール(通称・足立ボールとも)と呼ばれますが、後の研究で、そこにはプルトニウムやストロンチウムが混在していることも発見されています。


体内のセシウムボール   


このような放射性微粒子が空気中に漂っていたころ、鼻から吸い込めば鼻の粘膜に付着し細胞を壊すことを考えると、鼻血がでることも当然と思われます。

具体的な数値を見ると、長崎大学の高辻教授の計算では、プルトニウムのアルファ線の1本が細胞の核にあたると、24シーベルトに相当するということです。放医研の研究では、プルトニウムのアルファ線が細胞核にあたると、3分の2は細胞死すると仮定されています。
原発労働者の放射性ヨウ素(I-131)の体内残留量からみた甲状腺等価線量の研究では、最高で35.5シーベルトという値も計算されています。
ヨウ素もセシウムもベータ線を発するので、セシウムボールを体内に取り組むことの被ばくの危険性が想像できます。

また、ヨウ素は甲状腺に溜まることが知られていますが、セシウムは全身の筋肉に集まりやすいことも紹介されました。


最後に質疑応答で、今後気をつけることとして、被ばくによる免疫低下も紹介され、不溶性ではなくとも、放射性ヨウ素の甲状腺内での初期被ばくの激烈性などとともに、今後さらなる研究が必要とのことでした。

以上は特にセシウムボールについて、郷地先生のご講演を簡単にまとめたものですので、詳しくは動画をご覧下さい。


講演を終えて、私たちが今後、気をつけることは・・・

福島第一原発事故により環境中に大量に放出された放射性物質。その中でも大量に放出されたセシウムの半分が不溶性であったとの報告は衝撃的でした。なぜならば、そのセシウムボールは、飛散し、降下し、多くが土に沈着したと考えられるからです。除染によって集められた土壌にも多くのセシウムボールが含まれているでしょう。

現在、福島県内では中間貯蔵施設への搬入が本格化していると聞きますが、その運搬時に放射性汚染土から土埃となってセシウムボールが飛散している可能性はないでしょうか?

また、福島県外でも除染後の土壌が保育園や学校などの生活圏の敷地に埋められたままで、その管理はずさんになっていないでしょうか?


環境省は、8000ベクレル/kg以下の放射性廃棄物を一般ゴミとして扱う方針を出していますが、ほんとうにそれでいいのでしょうか?

また、福島県内の除染ででた8000ベクレル/kg以下の汚染土壌を全国の公共事業で使うとの案、福島県外の除染ででた汚染土壌は何万ベクレルであろうとそのまま埋め立て処分でかまわないとの案を環境省は出していますが、それでいいのでしょうか?


私はさよなら原発神戸アクションの仲間たちと共に、この汚染土壌の問題と対策を考えるイベントを秋に企画しています。

また、この汚染土壌の現状の説明と対策について私の提案を紹介するお話し会も、要望があれば行っていこうと思っています。

「ここまでわかった内部ひばく」・・・私たちは健康と未来を守るために、動かなければならいと確信させてもらった郷地秀夫先生の講演会でした。




= 関連ブログ =
小橋かおるブログ Words for Peace
■放射性汚染土・廃棄物を拡散しないために
http://flowersandbombs.blogspot.com/2019/01/
■放射能汚染防止法の制定に向けて
http://flowersandbombs.blogspot.com/2019/05/
■被爆者医療から見た原発事故(第1回のセミナーのまとめ)
Words for Peace 2013年5月
https://flowersandbombs.blogspot.com/2013/05/


 横浜市の保育園でふたりの園児が白血病を発症し、
その園庭に除染後の汚染土壌が埋められている問題をご存じでしょうか?
その汚染土壌の撤去の要請を拒否した横浜市についてブログにまとめました。
■7世代に思いをはせて【第556号】横浜からの続報
https://nanasedai.blogspot.com/2019/06/556.html


小橋かおる・お話し会のお知らせ
☆「7世代に思いをはせて
  〜放射能汚染から子供たちを守るために〜」
ゲスト:小橋かおるさん
日時:2019年6月29日(土)14:00〜16:00(13:30開場)
会場:神戸YWCA会館5Fチャペル
http://www.kobe.ywca.or.jp/top/access
参加費: 500円 お子さま連れ歓迎
~この地球は先祖からの贈りもの、そして子孫からの大切な預かりもの。複雑怪奇な世の中ですが、いつも「7世代に思いをはせて」何をすべきなのかを考えて動いてきました。
最初はいつもひとりで動き始めますが、一緒に動いてくれる方たちに巡り会い、戦禍に苦しむアフガニスタンやイラクの子どもたちの支援、福島第一原発事故の影響から子どもたちの健康を守るための活動を続けています。そしてこれから、放射性汚染土の拡散を止めるために動こうと思っています。
子孫からの大事な預かりものの大地を守るために、
少しお耳を傾けていただけませんか?~
主催:神戸YWCA平和活動部
詳細:http://www.kobe.ywca.or.jp/top/activities/forpeace/session/



司会進行・小橋かおる



満員の会場



2019/05/17

 

放射能汚染防止法の制定に向けて


飯舘村(2017年)
E氏撮影
2019年5月13日、超党派議員連盟「原発ゼロの会」が、福島県内外の除染作業で生じた放射性汚染土の処置についての「意見聴取会」を衆議院第一議員会館で開催しました。私は参加しませんでしたが、当日の動画はhttps://www.youtube.com/watch?v=dhT9H9iNqE4で見ることができ、また当日配られた資料も「原発ゼロの会」のサイトhttp://blog.livedoor.jp/gempatsu0/archives/16379213.htmlにリンクされていますので、それらを拝見し、改めて放射能汚染防止法の制定に向けた取り組みが必要であることを感じました。

簡単に「意見聴取会」をまとめると、まず環境省の従来通りの説明から始まり、放射性物質汚染対処特措法(特措法)に基づいて行われた除染作業で生じた福島県内の最大2,200万m3とも言われる「除去土壌=放射性汚染土」を、「中間貯蔵開始後30年以内に福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずる」が故に、8,000Bq/kg以下の放射性汚染土を、覆土・遮蔽などの飛散防止対策を行った上で公共事業で再利用する方針とし、福島県外(岩手、宮城、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川など)の放射性汚染土に関しては、放射性物質の濃度の上限を定めず、30cmの覆土を行った上で埋め立て処分を可能とする省令案・ガイドライン案を発言。それに対して、市民団体や環境NGOなどから12件の意見が表明されました。そのほとんどが、この環境省の案に対しての懸念でした(元原子力規制庁の田中俊一氏「放射性物質のリスクばかりを言うが、リスクがないものなどない。汚染土の再利用を拡散だというが、他に現実的な手段があるのか。」の旨の発言は除く)。
国際的放射線防御スタンダードから大幅に逸脱しているこれらの環境省令案への懸念については、当日意見表明されたFoE Japanさんのサイトが詳しいので、そちらをご覧ください。

■「8,000Bq/kg以下の除染土を公共事業で再利用」方針の矛盾と危険性(解説と資料を掲載しました)FoE Japan https://foejapan.wordpress.com/2016/05/02/8000bq_problem-3/

■福島県外の除染土埋立処分で環境省令案~濃度制限なし、地下水汚染防止策なし 
FoE Japan https://foejapan.wordpress.com/2019/03/18/0318/ 



さて、現在でも原発構内では100Bq/kg以上の放射性物質は低レベル放射性廃棄物として厳重保管にもかかわらず、なぜ福島県内の除染から発生した放射性汚染土は8,000Bq/kg以下ならば安易な再利用が許されたり、はたまた福島県外では放射性物質の濃度の上限を定めず、30cmの覆土を行っただけで埋め立て処分が可能になるのか?

それは、この意見聴取会でも何度も指摘されていた法律、2011年8月に制定された放射性物質汚染対処特措法(特措法)と、2013年に改訂された環境基本法の不備のせいであるようです。

その特措法の問題点を、山本行雄弁護士の「放射能汚染防止法整備運動ガイドブック2016年10月改訂版」を参考に見てみましょう。

汚染対処特措法(「平成 23 年 3 月 11 日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法」 2011 年 8 月 30 日成立)
附則 6 条 政府は、放射性物質により汚染された廃棄物、土壌等に関する規制の在り方その他の放射性物質に関する法制度の在り方について抜本的見直しを含めて検討を行い、その結果に基づき、法制の整備その他の所要の措置を講ずるものとする。

この汚染対処特措法は議員立法により成立したものですが、「法制度の在り方の検討」も「法制の整備その他の措置」も「政府」すなわち行政に丸投げしています。国の唯一の立法機関である国会の審議なしに、行政が検討し法整備をするという代物で、それゆえ環境省が「検討」し、原発構内ではあり得ないレベルの放射性汚染土を公共事業に再利用するという方針を出してくるわけです。

また、国会が立法府としての仕事を果たしていない法改正が、2013年の環境基本法改定です。山本氏によると
「福島第一原発事故後、放射性物質を公害・環境関係法から全面的に適用除外にしてきたことが問題として浮上しました。汚染対処特措法制定の際、法制度の「抜本的な見直し」をすることを決めました(同法附則 5 条)。その後、環境基本法、大気汚染防止法、水質汚濁防止法などの放射性物質適用除外規定は削除されました。しかし実質的な法整備は殆ど行われていないのが現実です。」(p.122)
「具体的な公害法の改正は、大気汚染防止法と水質汚濁防止法の常時監視と公表制度の改正にとどまり、環境基準も規制基準も定めていません。土壌汚染対策法を始め他の公害・環境法令は未整備のまま放置されています。」(p.130)


「言うまでもなく、国会は、国権の最高機関であり、唯一の立法機関である(憲法 41 条)。国会が、自ら立法機関としての役割を行政に丸投げしている現状は、違憲状態にあると言わなければならない。国会は、立法機関としての機能を回復しなければならない。我々は、国会が立法機関としての責任を放棄している現状を強く非難し、次の要望をする。
 記
① 環境基本法改正に伴う放射性物質に関する関連法の整備を行政府である政府に丸投げしている現在の方針を改め、国会が自ら行うこと。(中略)
⑤ 放射能汚染に関する公害防止の基本方針として、環境基本法に、放射能汚染物質の取扱・廃棄・処分については、希釈拡散をしてはならず、不拡散・集約管理を原則とする条項を設けること。
⑥ 環境基本法改正に伴い、土壌汚染その他の公害の規制に関する法律の放射性物質適用除外規定を削除すると共に、環境基準、規制基準を整備すること。
⑦ 放射能汚染の公害規制法の整備に当たっては、原子炉等規制法の基準設定如何に係わらず、公害法独自の制度として、人の健康と生活環境を保護法益とし、排出口における総量規制を定め、放射性物質の環境への放出に対し厳しい罰則をもって規制すること。 具体的環境基準、規制基準の設定については、たとえば、セシウム 137 については、環境基準、規制基準ともに「検出されない」とすること。
⑧ 放射性物質の適用除外規定が削除された大気汚染防止法及び水質汚濁防止法に関する環境基準と規制基準(排出基準及び排水基準)については、政令・省令事項である現行法を改め、国会が自ら立法をもって定めること。
⑨ 放射性物質に関する規制基準違反の罰則は、その被害の重大性に対応した重罰の特別規定を設けること。
⑩ 3.11 汚染対処特措法に代えて、環境基本法の特別地域指定に関する特別法として位置づけをした不拡散・集約管理の原則、環境基準や規制基準、事業者の除染義務などを内容とする公害規制法として整備すること。
⑪ 放射能土壌汚染については、既存の土壌汚染対策法、農用地土壌汚染防止法の放射性物質適用除外規定を削除すると共に、放射能土壌汚染に対しては、重い罰則をもって規制すること。漏洩企業の除染義務、賠償義務を定め、賠償については賠償保険の加入など賠償資力の保持を義務づけること。(後略)」(pp.204-205)
(事故由来の放射性物質に関連するもののみ抜粋)


私たち有権者にできることは、まずは上記のような環境基本法の法整備を求め、特措法を「放射能汚染防止法」に変えるよう国会に働きかけることでしょう。そのためには、選挙でこの法整備のために動いてくれる議員を選ぶこと、そして、地方自治体の議会に、法整備の意見書を採択するよう働きかけることです。すでに小樽市議会では採択され、札幌市議会では全会一致で採択されたとのことです。*1

全国の自治体議会から同様の意見書が出されれば、国会の争点にもなるでしょう。日本に住む私たち、そして未来の住人をも被ばくし続ける放射性物質は無造作に扱ってはなりません。必ず国会で審議させ、しっかりとした放射能汚染防止法を制定させなければならないと強く思います。

また、国会を動かすことが難しければ、各自治体が条例という形で、その拡散を止めることもできます。そのためにも、環境省の進める放射性汚染土の再利用や埋め立て政策を皆に知ってもらい、地方自治体議会議員に意見書採択を陳情し、国会議員に働きかけることから始めましょう。

現在の安易な放射性汚染土の処置案は、法整備の不備から生じているものならば、それを止められるのはやはり立法。私たちの力で放射能汚染防止法を制定しましょう。


*1「制定しよう 放射能汚染防止法」山本行雄著 
  ブイツーソリューション2016年刊 p.154

参考サイト
■山本行雄弁護士「放射能汚染防止法整備運動ガイドブック2016年10月改訂版」
https://www.yukio72.com/よりダウンロードできます。
意見書や陳情書の例文も掲載されています。

関連ブログ
Words for Peace
■放射性汚染土・廃棄物を拡散しないために
http://flowersandbombs.blogspot.com/2019/01/

放射性汚染土、廃棄物の問題を理解し、行動するために必読の2冊




2019/03/31

 

16年目の春

私の小さなチャリティ詩画集
『花と爆弾ーもう、戦争の暴力はやめようよ』を上梓して、
3月25日でまる15年となりました。

2001年から始まった対テロ戦争は、
アフガン、イラク、シリア、イエメン、
そして世界各地の都市へと拡大し、
このような戦禍が当然のような世界になってしまいましたが、

私自身は変わらずに、
平和を求めて微力ながらも動き続けられていることは、
とても貴重なことだとかみしめる16年目の春です。

あなたがすることのほとんどは無意味であるが、
それでもしなくてはならない。
そうしたことをするのは、世界を変えるためではなく、
世界によって自分が変えられないようにするためである。
マハトマ・ガンジー



「花と爆弾」オフィシャルサイト
小橋かおる・メールマガジン
7世代に思いをはせて」 にもお立ち寄りください。

2019/03/18

 

小さな灯でも・・・

東日本大震災と福島第一原発事故からまる8年となる3月。微力ながらできることを一生懸命にさせてもらいました。facebookの投稿をまとめる形で報告させていただきます。
                  
武藤類子さん講演会

3月3日
今日は武藤類子さん(福島県三春町在住・東電刑事訴訟告訴団団長)の講演会でした。私は主催で司会担当だったのですが、実は突然決まった講演会だったので広報の時間もあまりなくて、ちょっと心配していたのですが、たくさんの方が来てくださって、とても充実した会になりました。

武藤さんは福島第一原発事故の東電刑事訴訟告訴団団長として、これまでの刑事訴訟の裁判でのやりとりをお話しくださいましたが、呆れるのは、被告となった東電の元会長らの「無責任さ」。勝俣会長に至っては、「原発の安全性の責任は一義的には現場にある」と言って責任のがれ。それなら会長などネコにしてもらったほうがよっぽどマシと、つぶやいてしまいました。

また、福島原発事故はヒトゴトではないというのが私たちさよなら原発神戸アクションの思いですが、今日は会場に若狭湾の原発を止めるために献身的に活動をしてくださっている中嶌哲演さんが来てくださっていたので、スピーチをお願いしました。
「武藤さんが説明してくれた東電幹部の住民をバカにした態度は、そのまま関電の幹部にも当てはまる。」とお話しくださって、まさしくヒトゴトではなく、私たちの問題だということを語ってくださいました。

会場には、原賠訴訟関西訴訟の原告の皆さんもお越し下さっていたのでお話しいただきました。福島から避難した方たち、また福島に残って闘っていらっしゃる武藤さんたち、どちらもかわらず被曝しない権利があるとの認識を改めて共有できたことは素晴らしいことだと思います。

被曝しない権利・・・これは若狭湾に多くの原発を抱える関西の私たち、また8000ベクレル/kg未満の放射性物質をばらまこうとする政府を持つ私たち日本国民全員に関わる問題だと思います。

とても複雑な刑事訴訟、そしてつらい福島の現状を語ってくださった武藤さん、また会場にお越し下さった皆さまに、心から感謝いたします。


3月11日
311神戸からの祈り@神戸マルイ前。
毎年キャンドルを灯して、東日本大震災で犠牲になられた方々への追悼と、今なお苦しんでいらっしゃる方々を思う祈りの場。今年も司会をさせていただき、最後に「このキャンドルの灯が消えた後は、私たちひとりひとりが小さな灯となって、皆が支え合って、幸せに生きられる社会にするために動きましょう。」とキャンドルの火を消しました。

ヤマトーさんの歌と美穂さんの手話歌や望月さんの詩の朗読、原発避難者の方たちの賠償訴訟を応援するポカポカサポートチームのお話も。また上園さんたち若者グループが福島の若者たちとのスカイプをセッティングしてくれて、たまたまマルイ前に遊びに来ていた高校生の女の子に、「福島とスカイプが繫がっているから、質問してみて」と声をかけると、マイクを持って「311の時は受験シーズンだったと思いますが、たいへんでしたか?」と若者しか思いつかない質問をしてくれて、新鮮でした。

京都訴訟事務局の田辺弁護士

3月13日
今日は原発賠償京都訴訟の控訴審@大阪高裁を傍聴に行きました。今日は2回目の期日で、国と東電が津波の予見可能性を否定しているので、「予見できたでしょ!」ということを弁護士さんが裁判官に説明されていました。国が行った平成14年の地震の長期評価で福島沖でM8クラスの地震が起きることは予測されていたのに、まだ彼らは「わからなかった~~」ってどこの裁判でも繰り返している。往生際が悪いです。

午後から報告集会へ。ここでは京都訴訟の事務局を担当されている田辺弁護士が「どれほど正しいことを言っても、傍聴席が支援者であふれていないと、裁判官は国や大企業の顔色をうかがって、原告に冷たい判決を書くことがよくある。だから、皆さんの支援がとても大切です。」とおっしゃったのが印象に残りました。今回も傍聴席は満員で、報告集会も満員でした。

京都訴訟の次の期日(裁判)は6月13日(木)14:30~。私も傍聴に行く予定です。

ところで、3月8日は原賠訴訟ひょうごの膨張にも行きました。次回の原賠訴訟ひょうご@神戸地裁の期日は5月16日(木)14:00~です。こちらも傍聴に行く予定にしています。
皆さまも、ご都合よろしければ、ぜひご参加ください。


マルイ前でのアピール
3月15日
350回目の関電神戸支店前脱原発アピール行動に参加してきました。しっかり、環境省の進める8000ベクレル/kg未満の放射性汚染土の拡散政策の危険性を訴えてきました。そして、それがなぜそれほど危険なのか。。。それは、その汚染土の中に、水に溶けないセシウム(セシウム・ボール)が含まれていることが考えられ、それを吸い込むといつまでも肺にとどまって、猛烈な放射線を発してDNAを傷つけ、癌化させるから・・・とこのあたりは6月2日に内部被ばくの最新の研究を追跡されている郷地秀夫医師の講演会に来て、話を聞いてくださいと、広報いたしました。

チラシはまだできていませんが、6月2日午後に神戸で開催!☆ここまでわかった内部ひばく~セシウム・ボールのゆくえ~ またまた私が司会予定です。ぜひ、スケジュールを空けておいてください。

追記:
日々の出来事をfacebookの投稿していますので、よろしければ、こちらもご覧下さい。
  ↓
小橋かおるfacebook・https://www.facebook.com/kaoru.kohashi

小さな灯でも活動を続けます。


2019/01/06

 

放射性汚染土・廃棄物を拡散しないために


2019年の幕開けです。今年は春に統一地方選挙、夏に参議院選挙が予定されているので、ひとりでも多く私たちの暮らしを守るために働いてくれる議員を誕生させたいと思っています。そして、その議員たちと一緒に力を尽くしたいと私が願っているのは、放射性汚染土・廃棄物の拡散防止です。

これまでも拙メールマガジン「7世代に思いをはせて」や当ブログでも時々触れてきた8000ベクレル/kg以下の放射性汚染土の再利用問題(本来ならば100ベクレル/kg以上のものは低レベル放射性物質として厳重保管)ですが、お正月休みに毎日新聞記者の日野行介著『除染と国家 21世紀最悪の公共事業』を読み、いろいろと考えることがあったので、一度私なりに考えをまとめてみることにしました。(放射性汚染土再利用計画の詳細は後記リンク一覧をご覧下さい。)


放射性汚染土が詰められた
フレコンバッグの山
飯舘村(2017年1月)友人のE氏撮影
再利用は必要か?

福島県内の除染に伴い発生した土壌や廃棄物等は、2200万立方メートル(東京ドーム14杯分)と推計されており、環境省の計画では、東京電力福島第一原子力発電所を取り囲む形で大熊町・双葉町に整備する中間貯蔵施設で、最終処分までの間、安全に集中的に貯蔵することになっています。

ところが、その運搬に膨大なトラックが必要で目処がたたないとか、中間貯蔵施設のための十分な土地が確保できずにいるとのことで、少しでも容量を減らそうとして、8000ベクレル/kg以下の汚染土を公共事業や農地造成に再利用しようという計画が持ち上がり、現在、環境省は汚染土の上に汚染されていない土をかぶせるなどして放射線量を計測するというような「実証実験」を実施しています。

しかし、ほんとうにこの2200万立方メートル(東京ドーム14杯分)は、管理不可能な容量でしょうか?

たとえ公共事業に使ったとしても、環境省の推計では、例えば5000ベクレルが100ベクレルまで減衰するのには170年がかかるそうです。そして、土木建造物の耐用年数が70年とされていますので、その状態で保持しようと思うと70年ごとに土木工事をしなくてはなりません。

それならば、日本のいたるところで汚染土を公共事業に再利用し、70年ごとに2度、3度と土木工事をするよりも、中間貯蔵施設を70年に一度建て替える計画で一括管理した方が、よほど効率的ではないでしょうか?


2200万立方メートルの土とは?

この2200万立方メートルの土とはどのぐらいの量かを把握するためにちょっと調べてみましたら、あの辺野古米軍基地の建設に必要な埋め立て用土砂が2100万立方メートルで、ほぼ同じ量でした。あれだけの土砂を沖縄県内だけでなく瀬戸内海の島々からも運び込むことを考えると、福島県内での同等量の土砂の移動がそれほど不可能なこととは思えません。

また、辺野古の米軍基地の面積は160haです。環境省が予定している中間貯蔵施設の総面積は1600ha。辺野古の160haの10倍です。1600haの内330haが公有地ということですから、そこに汚染土を貯蔵する建造物を造ることは可能ではないでしょうか?ちなみに2200万立方メートルは東京ドーム14杯分ですから、東京ドームを14個造るとすると(東京ドームの敷地面積4.7ha×14)65.8haです。

ちなみに神戸に育った私は、ポートアイランド建設だけでもに、第1期埋立土量8,000万m3、第2期埋立土量9,200万m3で、合計1億7200万立方メートル(ウィキペディアより)の土砂が運び混まれているのを見ていたわけですから、2200万立法メートルの土砂の移動が不可能とはまったく思えません。


集中管理の可能性

そしてその貯蔵用建造物を330haの敷地内で70年ごとに建て替えるのです。何を悠長なことをと思われるかもしれませんが、20年ごとに立て替える伊勢神宮にならって、70年ごとに貯蔵用建造物を建て替える法律を作ったらどうでしょうか?20年ごとの遷宮を1300年間行ってきた日本ならば、まったく可能なことではないでしょうか?


福島県内だけではなく、関東一円で保管されている放射性汚染土。現在は、各自治体が保管しているようですが、これも8000ベクレル/kg以下ならば普通ゴミとして処分できるようになっています。しかし、それに従って処分した自治体はほとんどないようです。各自治体も覚悟を決めて、一括集中で厳重保管の方針を採った方が、住民も安心して暮らせるのではないでしょうか?

経済的に可能か?という問いもあるでしょうが、土木工事に再利用した場合でも70年ごとの被曝防御をしながらの土木工事には膨大な予算が必要でしょうし、また新型の高速増殖炉などにかける予算よりももっと有意義な税金の使い方だと思います(本来、東京電力に請求するべきですが)。


放射能汚染防止法の必要性

8000ベクレル/kgはれっきとした放射性廃棄物です(繰り返しますが、今でも原発敷地内では100ベクレル/kg以上は低レベル放射性廃棄物として厳重管理です)。それを一般ゴミだと「ごまかして」焼却したり、全国の公共事業で再利用などして拡散してはなりません。

2012年に放射性物質適用除外規定の環境基本法13条が削除され、放射性物質も他の有害物質と同様に法律上公害原因物質に位置づけられました。公害と認定されたからには、これまで「希釈すればいくらでも排出可」という状態ではなく、総量規制が可能です。まだそのベクレル量、放射線量の規制値が決まっておらず、すなわち罰則も決まっていませんが、法整備をしていくことが必要ですし、また県や市の条例で決めていくことも可能です。

国レベルで、法律を整備すること、また福島県の中間貯蔵施設の基本的な計画の見直しを追求していくことと同時に、自分たちの住む自治体で、「放射性物質は公害で、受け入れられない」という条例をつくっていくこと・・・日本の未来を守るために、私はひとりの国民としてしっかりと取り組んでいきたいと思っています。



* 参考サイト一覧 *
『除染と国家』を読もう!と思わせてくれたインタビュー記事。「ウソ」で日本中被ばくさせられるのはまっぴらと思い、しっかり読んで、いろいろ自分なりに考えさせてもらいました。
      ↓
■「原発は正しい」というフィクションを守るために官僚はウソをつく
『除染と国家』著者・日野行介インタビュー【後編】社会
週刊プレNEWS 2018年12月15日
https://wpb.shueisha.co.jp/news/society/2018/12/15/107764/


-放射能汚染防止法について包括的な資料です。-
■山本行雄弁護士講演資料
集会「放射能汚染防止法」制定に向けて
2017年3月27日@参議院第二議員会館
http://www.foejapan.org/energy/fukushima/pdf/170327_1.pdf


-環境省のサイトより-
1■中間貯蔵施設の概要
http://josen.env.go.jp/chukanchozou/about/

2「中間貯蔵開始後30年以内の県外での最終処分に向けて、再生資材化した除去土壌の安全な利用を段階的に進めるため」の解説資料
■「除去土壌再生利用実証事業について・資料3」
http://josen.env.go.jp/chukanchozou/facility/effort/investigative_commission/pdf/proceedings_180329_03.pdf


-辺野古米軍基地に関して-
■辺野古新基地建設事業に関するファクトシート
http://www.foejapan.org/aid/henoko/pdf/background.pdf

■沖縄辺野古移設の埋め立て用土砂の調達候補地とされる鹿児島県奄美大島で「岩ズリ」搬出がはじまる 8 bit news 2016/01/30
http://8bitnews.org/?p=7224


-放射性汚染土の拡散問題について-
拙ブログ、メルマガよりふたつ
1■Words for Peace:
東京電力福島第一原発事故より6年後 ~被ばくの強要~
http://flowersandbombs.blogspot.com/2017/03/

2■「7世代に思いをはせて」
【第504号】大切なことは・・・
http://archives.mag2.com/0000273399/20180609100000000.html

この問題がとてもわかりやすくまとめられている記事↓
■環境省「原発の汚染土、行き場がないからもう農地の造成にも再利用しちゃえ!」
BUZZAP 2018年6月4日
https://buzzap.jp/news/20180604-nuke-waste-recyle-agriculture/


-放射性廃棄物についての環境省の考え方-
■放射能濃度が8,000Bq/kg 以下の廃棄物の処理について 環境省
http://shiteihaiki.env.go.jp/initiatives_other/conference/pdf/conference_09_04.pdf
「放射能濃度が8,000Bq/kg以下の廃棄物について、独自に設定した一定濃度以上の廃棄物又は特定一般廃棄物若しくは特定産業廃棄物を区域内に搬入することを制限したり、廃棄物処理業者に対して取扱いの禁止を指導するようなことは、科学的・法的にも根拠のないものである。」同サイト5ページより抜粋


-日本的な保管方法を思いつかせてくれた伊勢神宮のサイト-
■式年遷宮の歴史
http://www.isejingu.or.jp/sengu/senguhistory.html


追記(2019年3月18日)
福島県外の特に関東、東北の皆さま、汚染土のゆくえに厳重注意です。 →「環境省は、福島県外の除染土の埋立処分をすすめるため、放射性物質の濃度によって上限を設けることなく、埋立処分できるとした環境省令およびガイドラインの記載案を発表しました。」
詳細は

■福島県外の除染土埋立処分で環境省令案~濃度制限なし、地下水汚染防止策なし FoEJapan

 https://foejapan.wordpress.com/2019/03/18/0318/





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