2024/08/15

 

『人間の証明 拘留226日と私の生存権について』を読んで

 「人質司法」をご存じですか?

ぜひお読みください。
なぜ月が表紙に使われているのか、
人質司法でどれほど生が蝕まれるのか
月のエピソードが語っています。

警察や検察などの捜査当局や裁判所が、「そのような犯罪を私はやっていない」と罪を否認したり、黙秘している被疑者や被告人を、長期間拘留する(人質にする)ことで自白等を強要しうる日本の刑事司法制度は、「人質司法」として批判されています。


私も、否認すると延々と拘置所に留められて、社会生活を潰されかねないという事実は以前から聞いており(実際そのような被害に遭った同業者の大学教員も)、この人質司法は、えん罪の温床であり、日本の司法による人権蹂躙だと思ってはいました。


しかし、人質司法による人権侵害は想像以上の酷さであることを、先日、角川歴彦さんが人質司法違憲訴訟を提訴した時の記者会見を拝見し、また今回、日本と世界に向けて、日本語と英語で同時発売された『人間の証明~拘留226日と私の生存権について』を読み、思い知りました。この人質司法の犠牲者になるのは、何も角川さんのように特捜がらみのような重大事件のみならず、痴漢や万引など日常的な犯罪の被疑者になってしまっても、同じ手法で犠牲になってしまうのです。自分の身に降りかかったら・・・と想像しながら読み進めました。(以下、引用文は綠色で示します。)



まず、驚いたのが、被疑者になったとたんに「囚人」扱いになる点です。

有罪が確定するまで無罪として扱われるはずの被疑者・被告人の人権は、日本では当然のように蹂躙されていることが、よくわかりました。

象徴的だなと思ったのは、起訴された角川さんに「これから囚人として扱う」と看守が言い渡したところ。逮捕された瞬間から、さんざん尊厳を踏みにじられる行為(ここでは紹介できないほどの酷い扱いです。原書をお読みください)を強要されてきた角川さんが「え?これまでとどう違うの?」と尋ねると、「何も変わりません」と看守。


 起訴はされたが、私は罪が確定して刑罰を受けるために拘置所にいる既決囚ではない。(中略)つまりは完全に犯罪者扱いであり、そこには有罪が確定するまでは無罪として扱われるという刑事司法の基本「無罪推定の原則」はいっさい顧みられていない。(pp.38-39)


 すなわち、逮捕された瞬間から、囚人と同様に拘禁され、身体的苦痛を強要され、ひとりの人間としての自由と尊厳を奪い取られて当然という状態が、「私は罪を犯していない」と訴える限り、何ヶ月も続くのです。


 拘置所の「単独室」が描写されていましたが、部屋の奥にある洋式トイレには衝立がなく、廊下から丸見えで屈辱的です。また、その奥にある「窓」が異様です。


 普通の窓は、室内から外の景色を眺めるために設けられる。いわば98%の自然光と空気を取り込むために工夫する。しかし、ここでは逆に外界と98%遮断するために取り付けられている。(中略)

  なぜ本来の機能を持たない窓を設置しているかと言えば、「窓もない非人間的な空間だ」と外部から批判されないためである。人間的空間に見せながら、実は外界と遮断した非人間的な空間。すなわち拘置所の窓は一種のフェイクでありフィクションなのだ。(p.42)



この異様さは、医務室でも際立ちます。


 何度も倒れ、拘置所では命をつなげるか覚束ない。何とかここを出られないものか。拘置所の医務室でそんな思いを漏らしたことがある。すると医者が冷ややかに告げた。

「角川さん、あなたは生きている間にはここから出られませんよ。死なないと出られないんです。生きて出られるかどうかは弁護士の腕次第ですよ」

 隣にいる刑務官を見ると、無言でうなずいていた。(p.75)


ホラーです。

死を覚悟した角川さんと危機感を持った弁護団は、公判で不利になる様々な点に「同意」するという苦渋の選択をし、これまで却下され続けてきた保釈請求をなんとか通そうとします。

裁判所の決定を待っている時の角川さんの思いが書かれています。


 彼ら<検察>はどうしても私を拘置所に閉じ込めておきたかった。体調がさらに悪化しようが、死に瀕しようが、意に介さない。なぜなら最終的に拘留を決めるのは裁判官であり、あくまで意見書を出しただけの検察官は責任を追及されない構図になっているからである。(p.80) < >は小橋による追記



非人間的と批判されないようにフェイクの「窓」を設置し、責任は裁判所だからと、死も意に介さず拘留を続けようとする検察という国家権力。

この検察という機関は、民間のブラック企業や、カルト集団ではなく、国家権力だというところが、この上なく恐ろしい。

公判で不利になる条件をのんでも保釈を選んだ角川さんは、この国家権力と人質司法違憲訴訟で闘う覚悟を決めました。


 裁判では、人質司法の存在を資料や証言から明らかにしたうえで、人質司法が憲法で保障された基本的人権を侵害していることを立証していく。

 さらに、国際法は、個人の自由権の一つとして「自白の強要からの自由」を保障している。人質司法が国連の自由権規約が禁じる「拷問又は残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取り扱い」や「人間の尊厳に対する侵害」「恣意的な拘留」「無罪推定原則否定」などに違反することを争点に据える。

 人質司法は刑事訴訟法の運用によって常態化してきたが、日本が批准した国際法規は国内法の上位に位置すると考えられている。国際法規に抵触する法律や制度は改正、廃止されなければならないのだ。(p.116)



この人質司法違憲訴訟は、角川さんご自身も何度も言及しているとおり、角川さんにかけられた嫌疑で無罪を主張するためのものではなく、国際法的にも恥ずべき人質司法という人権侵害をなくすためのものです。

 海外から「中世のなごり」と批判され、憂慮すらされる日本の司法制度を近代化して、自分と同じ犠牲者を生まないよう死力を尽くす。それは出版人としてメディアに生きた者の責務でもあり、生涯最後の仕事として取り組むに値する。(p.125)



最後に、私が最も怖いと思ったこと。

日本という国は、実のところあらゆる点で、「フェイクの窓」が取り付けられているのではないかということ。なんとなく光が差し込んでいるので窓があるつもりだけれども、開けようと思って近づいて初めて、フェイクだ!開かない!みんな気がついてない!と気付くような、そんな恐ろしさ。


ひとつでもほんものの窓を得るための、人質司法違憲訴訟となることを願って、注目していこうと思います。



= 引用文献 =

『人間の証明 拘留226日と私の生存権について』角川歴彦著 リトルモア 2024年刊

https://littlemore.co.jp/isbn9784898155882


= 関連サイト =

【記者会見動画】「残りの人生をこの裁判に懸けたい」

KADOKAWAの角川歴彦元会長が人質司法で国を提訴

2024年06月27日公開

https://www.videonews.com/press-club/20240627-kadokawa


■角川歴彦さんが提訴した人質司法違憲訴訟の意義

2024年6月27日

https://newspicks.com/topics/criminaljustice/posts/37



まさに、ひとどとじゃない事例が示された、よくわかるサイトです。

            ↓

■ひとごとじゃないよ「人質司法」

https://innocenceprojectjapan.org/about-hostagejustice


角川さんの事件とは直接関係ありませんが、

人質司法が引き起こしたえん罪事件で取り調べた検事が審判されることに。

少し司法も変わりつつあることを願います。

          ↓

■大阪高裁付審判決定、東京の特捜検察にも大きな “衝撃” 

「検事取調べ検証」は不可欠   2024年8月13日

 https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/38a7576ac17a05fd9e675544aa0b5199af919216


2024/06/27

 

PFAS指標値@日本と私たちの「健康への権利」

 6月25日、内閣府食品安全委員会は、発がん性のPFOAを含む有機フッ素化合物(PFAS)の健康影響を評価し、食品や飲料水の1日当たりの摂取許容量をPFOSとPFOAの2物質でそれぞれ、体重1キロ当たり20ナノグラムを指標とする「評価書」を正式決定しました。2月のパブリックコメント(意見公募)では、私も意見を届けるためできる限りのことをしましたが、およそ4000件の「緩すぎる」などの批判がほとんどだった意見は、反映されませんでした。


現在、内閣府食品安全委員会には、パブリックコメントへの回答をかねるようなQ&A(「有機フッ素化合物(PFAS)」評価書に関するQ&A)が掲載されています。そこでとても違和感を持つ点などについて、内閣府食品安全委員会に電話して伝えましたので、当ブログでまとめておきます。


Q10から抜粋

一般に、食品中の汚染物質のリスク管理については、「ALARA (as low as reasonably achievable:合理的に達成可能な限り低く)の原則」に従い、“無理なく到達可能な範囲でできるだけ低くすべき”とされています。


”無理なく到達可能な範囲”とは何でしょうか?「合理的に達成可能な限り」が、なぜ「無理なく」と解釈されているのでしょう?


欧米はPFASの規制を強化しています。今回の指標値は、アメリカ環境保護庁(EPA)の値と比べると、PFOSで200倍、PFOAで666倍も大きく、欧州食品安全機関(EFSA)と比べても64倍です。

なぜ、日本はその強化が「合理的に到達可能」ではないのでしょう?

例えば、EFSAが20年に設定した許容量は、体重1キロ当たり0.63ナノグラム。今回の食品安全委員会の示した許容量のPFOSとPFOAの合計は40ナノグラムで、EFSAの数値の64倍となります。


Q&AのQ8に、このような記述があります。

日本人の食品を通じたPFASの摂取については、限られた情報ではあるものの、2012-14年に農林水産省が実施した調査によれば、通常の一般的な食生活において推定されるヒト1日あたりのPFOSの平均的な摂取量は、0.60 ng/kg体重と1.1 ng/kg体重の間にあること、PFOAの平均的な摂取量は、0.066 ng/kg体重と0.75 ng/kg体重の間にあるとされました。


このデータによれば、日本の私たちは現在の食生活では、ヨーロッパの許容量を超えるPFASを摂取しているわけですが、だからと言って、かけ離れたものではないということがわかります。EFSAの体重1キロ当たり0.63ナノグラムを日本でも設定して、それに向けて対策を講じていくことは、合理的ではないでしょうか?そのような指標値があれば、PFASに高濃度に汚染された地域への重点的な対策も講じやすいのではないでしょうか?



Q6の健康影響では、2物質の摂取に伴う肝機能値指標とコレステロール値上昇、免疫低下、出生体重低下については関連や可能性は否定できないとしています。

それでは、一律の指標値を示すのではなく、妊婦や生殖活動などを考慮し、年齢別などで区別した指標値も可能ではないでしょうか?


最後に、食品安全委員会の担当者にお願いしたことです。

パブリックコメントでも出した意見だとして、今回の評価書からは読み取れない姿勢を確認してもらいました。

「健康への権利」をベースにしてください。

日本は、「健康への権利」を認める数々の国際的人権諸条約を批准しています。

(以下、リンクサイトより部分抜粋)

「健康への権利」とは単に健康である権利ではなく、安全な水へのアクセス、その他の健康に不可欠な条件となるものへのアクセスを含む。この権利は「漸進的実現」の対象であり、したがって、政府は、この権利の漸進的実現を計るために、指標と目標値が必要である。この権利は資源の利用可能性に影響されるもので、例えばジャマイカよりも日本のほうがより高度な要求をされる。https://www.hurights.or.jp/archives/newsletter/sectiion3/2009/05/post-55.html



私たち日本の住民には、欧米並の安全な水、食べ物へのアクセスの権利があります。今回示されたような指標値の元では、私の住む関西を始め、PFASにすでに高濃度に汚染されている地域住む人は、ヨーロッパの64倍のPFASを含む水を飲み、魚介類を食べることを許容されてしまいます。

今回のPFASの指標値は、健康への権利を損ねるものです。

食品安全委員会には、「健康への権利」という国際人権を尊重する姿勢をもった委員会になることを望みます。

そのようにお願いして電話を切りました。


そして、その日の夜、ジュネーブの国連人権理事会での「ビジネスと人権」のサイドイベントにオンライン参加しました。

私もオンラインで質問し、日本政府のPFAS汚染対策への後ろ向きな姿勢(25日に決まったばかりのヨーロッパの64倍のゆるい指標値も紹介)や、半導体工場やダイキンの利益が住民の健康より重視されていることを伝えると、昨年の日本調査でPFAS問題を報告してくれた作業部会のYeophantong氏が回答され、

人権より収益を重視する企業が、今後国際的なサプライチェーンで生き残るのは難しい」と、何度も強調されました。


PFAS汚染問題にしっかり取り組むことは、私たちの健康と環境、そしてビジネスを守る上でも、重要なことなのです。


参照サイト:

「血液調査の必要性」を明記し「未然防止の観点も踏まえて」と提言、専門家のPFAS評価書に環境省はどう動くのか Slow News 2024/6/24

発がん性物質のPFAS、欧米で追放進むも日本は規制強化見送りの可能性 謎の判断、専門家も首傾げる  猪瀬聖 2024/2/25







2024/05/04

 

PFOA(発がん性物質)ラプソディな1年でした

 

出典:ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議


PFAS(ピーファス)の一種、

PFOA(ピーフォア)って、ご存じですか?

「はあ?」「アルファベットで言われてもなぁ。」

「なんか、聞いたころあるかも、米軍基地周辺の問題?」


私も昨年(2023年)の4月までは、そんな感じでとらえていました。4月10日にNHKの『クローズアップ現代』で放送された~追跡“PFAS汚染” 暮らしに迫る化学物質~を見るまでは。


そこで一瞬だけ紹介されたPFAS汚染全国マップの画面を見て、これまで沖縄と関東の米軍基地の問題だと思っていたのに、関西の淀川あたりが飛び抜けて汚染され、そして、ポツンと離れて、神戸市西区を流れる明石川も非常に高い値で汚染されていることを、初めて知りました。


「なにこれ!?」

もっと調べなくてはと思い、開いたNHKのサイト

“PFAS汚染”全国マップ 指針値超え地点 すべて掲載



そこにあったのは、「PFOS PFOA 河川、湖、海域」汚染ランキング3位に明石川、11位に同じく神戸市内を流れる伊川。そして、「地下水」汚染ランキングでは、桁違いの値で、大阪市と摂津市が1位、2位。


驚愕しました。他所で問題になっている汚染物質によって、自身が住んでいる地域がもっともっと汚染されていたとは・・・。どうなってるんだ?何で私は知らないんだ?


それからネットで調べに調べ、大阪の汚染は「ダイキン」淀川製作所が、長年PFOAを排出し続けていることが原因であろうと知りました。このダイキン由来のPFOA汚染問題は、Tansaが何年も追跡していたので、後追いで知ることができました。(ぜひ、ダイキンPFOA追跡のシリーズ「公害 PFOA」をご覧ください。)


では?明石川は?汚染源は工場?そんな大きな工場もないけど?

これまでも放射能汚染土拡散防止など、環境を守るために力を貸してくれた丸尾まき兵庫県議や、神戸市西区選出の香川市議らに、その明石川のPFAS汚染のことを伝えました。


そして、すぐさま動いて独自調査を進めてくれた丸尾県議のおかげで、だんだんと被害の実態や、汚染源がわかってきました。


■発がん性指摘の有機フッ素化合物、明石川流域の住民から検出 

9人中6人が基準値越え 京大名誉教授らが発表

神戸新聞NEXT 2023/9/21

https://www.kobe-np.co.jp/news/society/202309/0016836485.shtml


■発がん性指摘の化合物 神戸・西区の明石川13カ所で「基準」超え 

京大名誉教授「産廃処理場影響か」

神戸新聞NEXT 2023/11/8

https://www.kobe-np.co.jp/news/society/202311/0017007661.shtml

「今回の調査は10月中旬、流域の25カ所で実施した。

西区押部谷町のうち2カ所では10万ナノグラムと210ナノグラムを検出し、

それぞれ近くに産廃処理場が存在しているという。」



汚染源はわかってきましたし、2023年末には、PFOAがそれまでの「発がん性指摘」から、「発がん性物質」と国際基準が変わり、危険性もより明らかになりましたが、それからがなかなか進みません。

神戸市は問題と思われる産廃業者などに協力の要請をしていますが、昨年の『クローズアップ現代』放送時には、「明石川 上流 460ナノグラム」の発表だったものが、今年2月の値は、神戸市の発表では1300ナノグラムとなり、状況はまったく改善されず(むしろ、悪化!?)。


明石川の水を水道水に使っている明石市は、浄水用の活性炭の交換頻度を高めるなどして、水道水のPFAS濃度を1リットルあたり5~10ナノグラムに抑えて対応していますが、明石川の周辺の土壌汚染や海水の汚染、それによる魚介類の汚染などを考えると、汚染源の一日も早い特定、除去が必須です。(ちなみに淀川水系の阪神水道を使っている神戸の水道水は、だいたい10~15ナノグラム/L前後です。これも改善しなくてはなりません。後述)



そして、これは明石川だけの問題ではなく、日本全国、特にPFASを製造していた工場、または多量に使用していた工場の周辺、そして近隣地域の産廃処分場で、同じようなことが起こる、起きていると思われる問題です。



しかし、日本政府の動きは遅いです。

欧米各国はPFASへの規制を強化する一方、日本政府は飲料水の指標値案を、従来と変わらない1リットルあたり50ナノグラムと考えられる数値を、今年2月に提示してきました。1ヶ月間のパブリックコメント募集期間を経て、現在検討中ということになっていますが、汚染源対策の遅々とした動きを見ていると、この国の政府は、国民の健康や環境を守ることに関心がないのだろうか?と思えます。


このパブリックコメントが終わった1ヶ月後、アメリカ環境保護局(EPA)が、水道水への新たなPFAS規制値を発表しました。大切なところを抜粋引用します。


***

EPAによると、新たな規制は、体内に蓄積して多くの健康問題を引き起こすことが知られている6種類のPFASから、1億人もの米国人を守ることにつながるという。PFASとの関連が指摘される健康問題には、腎臓がんや精巣がん、妊娠高血圧症候群、早産、肝臓および免疫系の疾患が含まれる。

なかでも毒性の強いPFOSとPFOAは基準値を1リットルあたり4ナノグラムとした。

(この規制により膨大なコストがかかっても)それでも多くの専門家は、PFASに関連する健康問題を示す「証拠の重み」を考えれば、新たな基準値は理にかなっていると主張する。

「これだけ低い濃度でも、長い年月の間には大きな影響を及ぼすことがあります。化学物質が体内で生物濃縮を起こすからです」

***



日本政府も同じ対策がとれるのではないでしょうか?

いえ、私たち有権者は、政府をそのように動かさなければならないのではないでしょうか?


まずは、PFASの人体への危険性をEPA並に認識し、水道水の基準を強化する、そして汚染源を見つけて、撤去、浄化する。


私はこれまで放射能汚染の問題に取り組んできました。放射能は半減期を待つしか「浄化」の方法はありませんが、PFASは1100度で熱分解が可能で、すでに分解処分も進んでいます(一例)。また、他にも安価な分解方法についての研究が進んでいて、期待されています。


本気になれば、この発がん性物質を私たちの環境から取り除き、環境と未来を守ることができるのです。


日本政府には、米国の新規制値を取り入れ、汚染源の撤去、分解処分のために、一刻も早く動くことを要望していきたいと思います。


明石川の汚染を止めるためには、政府を動かさなければならないと強く思う、1年後の5月です。



***引用サイト***

■飲み水のPFASに米国初の規制、1億人守る新基準にのしかかる負担

National Geographic 2024/4/17

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/24/041600213/



++ オススメサイト ++


若きジャーナリストが問題を追ってくれています。

Yumihiko Yokoyama〝未来世代へのメモ〟


■PFAS汚染を追って〜明石川流域、10万ngという“脅威値”  2024/4/17

https://note.com/yumi0415/n/n462afdc3145c

(丸尾県議の調査や、私たちが企画した集会のことも紹介。

集会には、地方自治体議員を始め、阿部知子衆議院議員も参加。)


■PFAS汚染を追って〜どうなる!?使用済み活性炭、食品など新たな対策 2024/4/9

https://note.com/yumi0415/n/n8ddb8043c69f

(日本全国のPFAS汚染のこと、汚染源のこと、食品のこと、PFAS問題を網羅。)



拙ブログ「7世代に思いをはせて」でも、この1年随時書いてきたPFAS問題。

時系列でリンクします。だんだん視点がグローバルになっているのに気づきます。


■【第780号】あなたの水は大丈夫ですか?

https://nanasedai.blogspot.com/2023/09/780.html


■【第782号】もっと早く知っていれば・・・

https://nanasedai.blogspot.com/2023/10/782.html


■【第787号】PFAS汚染源を探して・・・ 

https://nanasedai.blogspot.com/2023/11/787pfas.html


■【第801号】PFASから見る「ビジネスと人権」

https://nanasedai.blogspot.com/2024/02/801pfas.html


■【第803号】「健康への権利」とわたし

https://nanasedai.blogspot.com/2024/03/803.html


■【第810号】アメリカからの朗報に思うこと 

https://nanasedai.blogspot.com/2024/04/810.html


拙ブログWords for Peaceでは、50ナノグラム/Lの問題点を説明し、パブコメ書いて!と訴えました。

■ PFAS:時代遅れの食品健康影響の指標値案を改善するためにパブコメを送りましょう!

https://flowersandbombs.blogspot.com/2024/02/


PFOAを追うことになった原点の明石川
丸尾県議撮影



2024/02/08

 

PFAS:時代遅れの食品健康影響の指標値案を改善するためにパブコメを送りましょう!

 


有機フッ素化合物(PFAS)に係る食品健康影響評価に係る審議結果が公表され、2月7日から意見募集(パブコメ)が始まりました(締め切りは3月7日)。オンライン、FAX、郵送などで誰でも意見が送れます。



審議結果は、

「食品健康影響の指標値は、TDI として PFOS は 20 ng/kg 体重/日(2×10-5 mg/kg 体重/日)、PFOA は 20 ng/kg 体重/日(2×10-5 mg/kg 体重/日)と設定することが妥当と判断した。PFHxS については、評価を行う十分な知見は得られていないことから、現時点では指標値の算出は困難であると判断した。」(pp.7-8)

用語説明:TDI=耐容一日摂取量(以下、許容量)PFOS,PFOA、PFHxSはPFASの一種 ng(ナノグラム=10億分の1グラム)


という、2023年に国際がん研究機関によってPFOAが発がん性が「ある」の最高レベルに引き上げられたことを無視し、米国環境保護庁(EPA)の2023年の草案を無視して、EPA2016年の見解を採用しました。すなわち、PFAS規制の強化に向かう世界に逆行する時代遅れの指標値です。


その一例として、有機フッ素化合物(PFAS)に係る食品健康影響評価に係る審議結果のpp.224~226 の 海外評価機関による許容量の指標値の表を最後に転載しますのでご覧ください。

ここでわかるのは、胎児や子どもへの影響を予防するための指標値が、まったく反映されていないということです。

一方、欧州食品安全機関(EFSA)が2020年に設定した許容量は体重1キロ当たり0.63ナノグラム。今回の内閣府食品安全委員会が設定した許容量はPFOSとPFOAの合計は40ナノグラムで、EFSAの数値の64倍となっています。*2


2月7日にPFAS問題の先駆的研究者の小泉昭夫京都大学名誉教授による、今回のパブコメ募集を受けての緊急オンライン講座に参加しましたが、この PFOS,PFOAそれぞれ20 ng/kg 体重/日の許容量とは、血中PFAS濃度にするとPFOS<250ng/ml、PFOA<143ng/mlを引き起こす量であり、全米アカデミーズ委員会が示した健康へのリスクが高くなる血中PFAS濃度20ng/ml、ドイツが緊急に曝露対策を取る必要な値とするPFOS 20ng/ml、PFOA 10ng/mlを大きく上回り、健康への影響への不安が高まる値です。


また、小泉教授は、「このままでは、現在の水道水の暫定目標値であるPFOS、PFOA合計で50ng/Lも、今後、PFOS 50ng/L、 PFOA 50ng/L合計で100ng/Lに改悪されかねない」と非常に懸念されていました。


予防原則に立脚しておらず、特に胎児や子どもたちへの影響を考慮に入れていない、時代遅れな審議結果を受け入れるわけにはいきません。


私は、特に以下の3点をパブコメで訴えます。


1 2023年12月に出された国際がん研究機関(IARC)によるPFOAの発がん性の判断を取り入れること。発がん性物質であるPFOAについて、PFOSと同じ許容量は理解しがたい。特に、関西はPFOAに汚染されていることへの留意が必要*3


2 米国環境保護庁(EPA)の2016年ではなく、最新の指標値を採用すること。少なくとも、2020年の欧州食品安全機関(EFSA)の指標値を採用、または、EPAの最新版が発表されるまで審議を継続すること。


3 PFHxSは子どもへの影響が危惧されることから、予防原則を充分考慮して2020年の欧州食品安全機関(EFSA)の指標値を採用すること。



オンライン講座で小泉教授がおっしゃっていましたが、パブコメで国民から1万件以上の意見が寄せられると、行政も再考せざるを得ないと感じるそうです。


実際、筆者が経験したことですが、2020年に環境省が進めようとしていた放射性汚染土再利用計画が、2800件のパブコメによって「時期尚早」として止まったこともありました。*4



私たちの健康、そして何より胎児、子どもたちを守るために、パブコメを出しましょう!

私たちは、無力ではありません。



パブコメの送り先、送り方はこちらをご覧ください。

          ↓

https://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc1_pfas_pfas_060207.html

上記リンクにある資料:有機フッ素化合物(PFAS)に係る食品健康影響評価に係る審議結果

https://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc1_pfas_pfas_060207.data/pc1_pfas_pfas_060207.pdf




参照記事

*1 PFOAの発がん性、最高の「ある」に2段階引き上げ WHO専門組織 汚染問題PFASの一種

東京新聞 2023年12月3日 https://www.tokyo-np.co.jp/article/293623


*2 PFASの「摂取許容量」日本でも具体化 ヨーロッパの60倍超に、発がん性は「証拠不十分」

東京新聞 2024年1月26日  https://www.tokyo-np.co.jp/article/305491


*3 追跡“PFAS汚染” 暮らしに迫る化学物質

■クローズアップ現代 2023年4月10日 https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4767/

 全国の状況は、上記リンクを、また兵庫県の深刻な汚染状況は下記動画をご覧ください。

 どちらもとてもわかりやすいです。

■「有機フッ素化合物PFASってなに?」

丸尾まき県政報告会 2024年2月2日 https://www.youtube.com/watch?v=0fsc8rUw2Fg


*4 放射性汚染土再利用にSTOPがかかりました~そして、これから~

小橋かおるブログ 2020年4月2日 http://flowersandbombs.blogspot.com/2020/04/




資料:有機フッ素化合物(PFAS)に係る食品健康影響評価に係る審議結果より(赤枠は筆者)










2023/12/26

 

2023年をふり返って・・・誰もとめられないのは・・・

 2023年も終わろうとしています。

これほどひどい年もなかったのではないかと、私には感じられます。

ガザで、誰にもとめられないままに続く民間人の「虐殺」、

誰にもとめられないままに進む日本の防衛費の突出した増額や、

米国への武器輸出に、沖縄の軍備増強、

そして、誰にもとめられないままに続く日本の原発政策・・・



この原発政策を見ていると、誰にもとめられないのは、

誰も責任を持って考えていないからだろうと、つくづく思います。

(考えているのは、原発や軍需で儲けている人たちだけなのかもしれません。)



今日、2023年12月26日にも、福島原発被害東京訴訟の控訴審で、無責任な判決が東京高等裁判所で言い渡されました。*報告集会の配信録画


簡単に言うと、「津波の対策をしても、原発事故は防げなかったから、津波対策をしなかった国に責任はない。」

これは2022年の最高裁で出された判決で、そして、今日の控訴審は、その判決をなぞるだけのもの。


最高裁判所が、小学生の言い訳のような判決を書き、高等裁判所がそれをコピペしたような判決を出す。(このような高裁判決が続いています)


誰も考えていないのですよ。

国が原発進めるから、進めやすいように司法は判決を書いているだけ。

そこには三権分立も司法の役割も見えません。



今年7月には、若狭湾にある日本最古の原発、高浜1号機が再稼働しました。今年で運転開始から49年になる原発です。そして、9月には48年になる高浜2号機も再稼働し、古い原発が西日本を中心に再稼働していきます。


2011年3月10日以前は、この国は「万が一にも事故は起こさない」と言って原発を動かしていました。事故を起こした福島第一原発は運転開始から40年の原発でした。


今、2023年、この国は福島第一原発事故の責任も認めず、「原発事故が起きても屋内退避で、住民は被ばくしろ」との政策で、フクイチよりもずっと古い原発を動かしています。


ガザの人々はイスラエルのミサイルによって、国を奪われそうになっていますが、私たちは自国の原発政策によって、国土と未来を奪われようとしているとしか、私には思えません。


いったい、この国は何なのか?

民主主義で、私たちが人間として扱われているのなら、こんなことがまかり通るわけがない。怒りも驚きも通り越して、その根本原因が知りたくなる2023年末です。



後記:

今年は英語のブログを毎週更新しましたが、このWords for Peaceは8月の記事(原発関連の無責任について)から書けないままでした。まとまったことを書くのがこのブログなので、いろいろな問題に奔走していたら、なかなかまとめる時間がなかったのです。来年は自身のためにも、問題をきちんと見つめて書く時間を作りたいと思います。


翻弄されながらも毎週書いたブログは2つ。

お正月休みにでもお読みいただけたら、うれしいです。


毎週土曜日更新(今年は関西のPFAS汚染の問題も多く取り上げました)

「7世代に思いをはせて」https://nanasedai.blogspot.com/

毎週火曜日~木曜日ぐらいに更新(海外からたくさんのアクセスがありました)

Tanka Poems against the War  https://tankaagainstwar.blogspot.com/


雪にも寒さにも負けない福寿草のように
来年も動きます



2023/08/17

 

運転開始より49年となる高浜原発1号機再稼働にみるヒトゴト

 まさかもう二度と動くことはないだろうと思っていた1974年に運転を開始した高浜原発1号機が2023年7月28日、12年ぶりに再稼働した。私の住む神戸から90キロも離れていない福井県高浜町にある関西電力の老朽原発が。


その再稼働の一報を聞いた6月末から、私はこの無謀としか思えない再稼働を止めるために、個人でもできることは何でもしようと思い、関電の大株主である神戸市、当時者の関西電力、そして原子力規制委員会に質問を出し、その回答を得た。


8月17日現在までのそのやりとりをこのブログにまとめておきたい。

福島第一原発事故という、今でも廃炉の行程さえよくわからないまま、使用済み核燃料や原子炉の倒壊の危機を抱えて、放射能を空に海に流し続け、何万人という人々の生活を破壊した惨劇が現在進行中のこの国の無自覚、無責任、ヒトゴト姿勢を、せめて記録しておくために。



--------原子力規制委員会とのやりとり-----------------


原子力規制委員会に質問 2023/7/20 

 高浜原発から90キロほどしか離れていない神戸に在住の者です。

先日、ある学習会で、圧力容器(鋼鉄)の脆化温度は、原子炉の運転期間が長くなると上昇するということで、使い始めは、-16度のものが、1年後には、35度、18年後には56度、34年後には98度で、高浜1号機は99度と紹介されていました。


これは、ほんとうでしょうか?

もしもほんとうなら、福島第一原発のように事故を起こしたときに、水で冷却しようとしても、圧力容器が割れてしまうのではないでしょうか?7月28日にも高浜1号が再稼働と報道されており、とても心配です。ご説明いただけたら、幸いです。


詳細:https://sayogenkobe.blog.fc2.com/blog-entry-217.html


7月25日に原子力規制庁より「電話で答える」との返信着

7月28日午前(午後には高浜1号機再稼働) 原子力規制庁の担当者に小橋より電話。


電話での会話まとめ

担当の回答 「脆化温度は99度だが、冷却時に(ECCSの)水をかけても圧力容器は割れないという計算になっている。」との計算上の話。その計算について公表されているサイトのリンクを後ほど送ると約束。

私が、「その計算方法が30年前のもので、新しい知見が反映されていないと井野博満さん(東京大学名誉教授)から聞いた」と言うと、「われわれも知見を取り入れるよう勉強している。井野先生にも、お話は聞いている」と返答。


今から、知見を勉強しても、もう高浜1号機は、今日の午後3時には再稼働なんです!事故ったら、私の所にも放射性物質が飛んでくるんです!と、思わず訴えてしまう。

その話の展開で、49年も前の原発が12年ぶりに再稼働されることになったことについて、私の疑問をぶつけてみた。


「コアキャッチャーもないのになぜ、世界一厳しい安全基準なんだ?」と聞くと、

「誰が言っているかは知らないが自分たち(規制委員会)は言ってない」と返答。


「避難計画もおろそかなのに、なぜ再稼働できるのか?」と聞くと、

「事故時の避難計画が適正かどうかを審査するのは自分たちではない」との返答。


また、脆化温度が高浜1号機よりも低い美浜2号や大飯1,2号が廃炉になっているのは、「関電の経営判断(規制クリアするためにお金をかけたくない)であって、圧力容器云々の話ではない。」と返答。


7月28日夕方規制委員会から送られてきた文書ファイル

関西電力株式会社高浜発電所1号炉の運転期間延長認可申請の実用炉規則第114条への適合性に関する審査結果 平成 28 年(2016年) 6 月 原子力規制庁



8月1日午後に小橋より返信 

「関西電力株式会社高浜発電所1号炉の運転期間延長認可申請の実用炉規則第114条への適合性に関する審査結果 平成 28 年 6 月 原子力規制庁」のファイルを送付いただき、ありがとうございました。


さらに3点ほど質問させていただきたいのですが、


1: P.10にある、原子炉容器の中性子照射脆化審査に関しての「評価」は、平成21年(2009年)に取り出した監視試験片を元にしていると考えられ、とても古いデータであると不安に思い、ある学習会で専門家の方に質問しましたところ、2009年のものは溶接金属を使った試験を元にしたもので、母材は2002年が最後とのことでした。本来なら、溶接金属も母材も同時に試験するべきところを別々にしか行っていないという解釈でよろしいでしょうか?


2: 母材の試験片は2021年に取り出され、結果は2023年8月にわかると聞きましたが、それで正しいでしょうか?


3: 1,2の解釈で良い場合は、8月の試験結果を待たずして、もうすぐ49年になる原発を12年ぶりに再稼働させたということになりますが、8月の試験結果に問題が認められる場合は、規制委員会としては、高浜原発1号機の運転停止、廃炉の判断を行えるのでしょうか?

学習会での資料を添付いたします。


詳細:https://foejapan.org/issue/20230718/13536/




8月3日にまた「電話で答える」との回答で、4日に小橋より電話をかけるが忙しいとのこと。何回か電話し、8月8日に担当者につながる。


質問の1は、この解釈でOK。すなわち、高浜は別々に試験片を取り出してやってる。

質問2は、関電に聞いてくれ。規制庁は報告を受けるだけ。

質問3は、今度のGX脱炭素電源法が施行されたら、30年超えの原発を運転したい事業者は、すべての30年超えのものについて書類を再提出することになる。

---------------------------------


いかがですか?この無責任なヒトゴト姿勢?

いったい原子力規制庁とは何のための組織なのか?

原子力規制庁ならば、せめて原子炉容器の中性子照射脆化審査に最新の知見を取り入れるよう業者に求めるべきだと思いませんか?また、母材と試験片を別年で審査することを許可したりするべきではないし、欧米を中心に新型原発では取り入れられているコアキャッチャーがなければ運転してはならないと規制するべきでしょう。


GX脱炭素電源法と言う名の「原子力推進法」、60年超えの原発の運転を可能にする新法のもとで、原子力規制庁が今以上に規制の方向に動くとは到底考えられません。



また、今回のやりとりで、原発事故が起きたときの避難計画も自治体に丸投げで、誰も責任をとる様子がないことにも大きな不安を感じました。


そこで検索して、見つけた文書に、改めて驚きました。

■ 原子力災害対策指針と 新規制基準(平成28年)原子力規制委員会委員長 田中 俊一と題した文書です。

そこには、福島第一原発事故からの教訓として、「無計画に無理な避難をしたことで多数の犠牲者が出た。」 「原発サイトの内外を含めて放射線被ばくによる確定的な健康影響は認められていない。」よって、「屋内退避を積極的導入する」という結論が書かれています。注意書きとして、「なお、複合災害時には、生命に関わる他の災害リスク対策を優先する。」とあり、地震で屋内退避する場所がなかったり、津波で逃げなければならなかったりすれば、もう被ばくしろ、と言うことのようです。



唖然とします。

福島第一原発事故前は、「原発は事故をしません」と言って、日本中に54基も原発を建てて動かしていた。

原発事故が起きた後は、「事故を起こしても被ばくしろ」と言って、古い原発までも稼働させる。

無茶苦茶でしょう?


この無茶苦茶を、原子力規制委員会、規制庁、電力会社、そして自治体も、国の方針だから、法律がそうだから・・・と、言い訳をしながら、ヒトゴトのように原発推進に加担していき、メディアもほとんど官報のように伝えるだけ・・・。


運転開始から40年となった2011年2月に、福島第一原発1号機を廃炉にしておけば、あのような過酷な原発事故は起きなかったかもしれない・・・この12年間ずっと悔やんできました。

しかし、この国の為政者は、あの事故を、「事故が起きても原発は動かしてもいい」日本にするために利用したのです。


これを止められるのは、ほんとうに国民しかいません。

私たちの暮らしと健康を守るために動く政治家を選び、またひとつひとつ疑問の声を上げていかなければ、彼らの利権のために被ばくさせられ、健康を害しても「関係ない」との強弁で、泣き寝入りの内に死んでいくはめです。


私は嫌です。

泣き寝入りはしません。

これからも、おかしいことはおかしいと言い続け、せめて記録に残します。



下記は、関西電力、神戸市とのやりとりです。

記録のひとつとして掲載します。


-------- 関西電力とのやりとり ---------------------


小橋より関西電力に質問 2023/7/13 

 原発の圧力容器の脆化について、質問です。

脆化温度は、運転期間が長くなると上昇するということで、使い始めは、-16度のものが、1年後には、35度、18年後には56度、34年後には98度で、高浜1号機は99度と、ある学習会で聞きました。これは、ほんとうですか?

また、その場合、高浜1号機を運転するのは、非常に危険ではありませんか?



関電より8月4日(高浜原発1号機再稼働後!返信着)

小橋さま

お世話になっております。関西電力広報室です。

原子炉容器の健全性評価で用いる脆性遷移温度は、脆化の程度を示す指標であり、その温度以下になると脆性破壊するといったことを示すものではありません。

原子炉容器の健全性評価では、監視試験結果で得られた脆化傾向を踏まえて将来の脆化程度を予測し、事故時など過酷な条件下においても原子炉容器に破損のおそれが

ないことを確認しており、高浜1号機のような初期のプラントであっても、原子炉容器の健全性に問題はないと考えています。

なお、関連温度(脆性遷移温度)については下記の通りHPで公開しているとおりです。

https://www.kepco.co.jp/energy_supply/energy/nuclear_power/info/knic/meeting/genshiryoku/cyuuseisi2_2.html

何卒よろしくお願い申し上げます。


関西電力株式会社 広報室



小橋より関電に8月8日に再質問

関西電力株式会社 広報室御中

ご説明をありがとうございました。

ある学習会で、高浜1号機の脆化温度の計算の仕方は30年前のもので、新たな研究結果などが反映されていないと聞きました。

また、高浜原発の原子炉容器の中性子照射脆化審査に関しての「評価」は、平成21年(2009年)に取り出した監視試験片を元にしていると考えられ、とても古いデータであると不安に思い、専門家の方に質問しましたところ、2009年のものは溶接金属を使った試験を元にしたもので、母材は2002年が最後とのことでした。

また、その方によると母材の試験片は2021年に取り出され、結果は2023年8月にわかると聞きましたが、それで正しいでしょうか?

福島第一原発も40年で廃炉になってたはずの一号機から事故は始まりました。

私の街から100キロほどしか離れていない老朽原発群(高浜1,2号、美浜3号)を思うと、非常に不安です。

新たな試験片の審査結果がいつわかるのか、また、どこで確認できるのか、教えてください。

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8月17日現在、関電よりの返信はありません。




---------- 神戸市とのやりとり -----------------


神戸市へのメール6月22日

神戸市環境局環境創造課 御中


6月28日の関電の株主総会を前に、

関西電力が、運転開始から49年を迎えようとする高浜原発1号機の再稼働するとの報道がありました。2011年からずっと止まっていた老朽プラントが、神戸から90キロほどしか離れていないところで再稼働するかと思うと、ほんとうに心配です。


添付の画像は、2014年の兵庫県による高浜の隣の大飯原発が放射能漏れ事故を起こしたときのシミュレーションですが、北風に乗れば、2時間で放射性プルームが神戸にも到達すると、当時の井戸兵庫県知事も答弁しています。


ほとんど審議も尽くされず拙速に決まった国の方針と、関西電力の経営判断によって、

神戸、関西の生活が脅かされることになります。


神戸市はこれまでも原発に依存しない電力供給を関西電力に株主として求めてきました。

来週の株主総会でも、その姿勢を明確にし、また関西全域の暮らし、経済に不安を与える老朽原発の廃炉を求めてください。



神戸市より6月28日返信着

小橋さま

お世話になっております。

神戸市環境局環境創造課です。


ご意見をいただきありがとうございます。

繰り返しになりますが、本市では原子力発電について、

安全性と地元理解を大前提として、国において判断すべきものと考えております。

市民の安心安全な暮らしと、市内事業者の活発な経済活動を守る立場として、

国の動向を注視し、庁内においても引き続き原子力発電に関する検討を続けて参ります。

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その後、7月28日に、つなぐ神戸市議団の香川議員と高橋前議員が神戸市と老朽原発再稼働について、神戸市として何らかの対策を求めて面談を実施してくださいましたが、神戸市は、上記と変わらぬヒトゴト対応だったと報告を受けました。



6月22日には、兵庫県に下記の提案をしましたが、8月17日現在返答はありません。

これまで何度も「さわやか提案箱」から提案してきましたが、返答がないのは初めてです。知事が変わったからでしょうか?

さわやか提案箱への提案

「事故時に放射性ヨウ素が放出された時のことを考えて、篠山市は安定ヨウ素剤の事前配布を実施しています。

https://www.city.tambasasayama.lg.jp/soshikikarasagasu/shiminanzenka/bousai/genshiryokusaigai/23144.html 

兵庫県内すべての自治体に事前配布するよう、知事に提案いたします。」




最後に、原発事故がどのようなものであるのか、兵庫県に避難されている菅野みずえさんのインタビュー記事をリンクします。ほんとうに、自分事として、考えなければなりません。


■原発がある限り、私の身に起こったことは、いつかあなたのことになる – 菅野みずえ

グリーンピース・ジャパン 2022/3/3

https://www.greenpeace.org/japan/campaigns/story/2022/03/03/55716/

「原発がある限り、私の身に起こったことは、いつかあなたの、誰かのことになります。私は〈3月10日〉を踏み越えてしまった今を生きているけれど、あなた方はまだ〈3月10日〉の分岐点にいる。これ以上、子どもたち・若い世代に重荷を背負わせない方角はどっちか、大人たちがどうか考えてください」


2014年には兵庫県もこのような
放射能拡散シミュレーションを発表し、自分事としていたのに・・・。


追記:

アクション情報

9・1(金)関電前「一食断食」行動 ~老朽原発うごかすな!
      ~とめよう!原発依存社会への暴走~
◆と き:9月1日(金)10:00~16:00
◆ところ:関西電力本店前(大阪市北区中之島)
◆主 催:老朽原発うごかすな!実行委員会 

12.3 (日) とめよう!原発依存社会への暴走 1万人集会 
日時 12月3日 (日) 午後 
場所 大阪市内
主催 老朽原発うごかすな!実行委員会

情報サイト

原発ってどこにある?今、動いてる?再稼働はいつ?

https://blog.goo.ne.jp/tanutanu9887/e/a43bbf55884c7e6832943f79a7f56b72



2023/04/23

 

追跡!謎の日米合同委員会 別のかたちで継続された「占領政策」を読んで

  日米合同委員会、この存在をどれだけの日本国民が知っているでしょう?私自身も、この名前を聞いたのは15年ぐらい前のことかと思います。また、外務省の元関係者の話としても、「たいしたことはしていない。日米間の事務調整みたいなもの」などしか聞こえてこなかったので、これまで気になりながらも、あまり注目してこなかったのですが、昨年末に、「NHKスペシャル 未解決事件 松本清張と帝銀事件」を見て、その一場面(GHQが雑談のように日本の役人を通して、これ以上帝銀事件と731部隊の関係を追うなと日本人記者に「要望」する)を見て、これが日米合同委員会の原点の姿かも!?と、その存在と機能が腑に落ちたような気がしました。

   そして、出会った1冊の書籍。吉田 敏浩著『追跡!謎の日米合同委員会 別のかたちで継続された「占領政策」』(毎日新聞出版 2021年刊)。日米合同委員会による、日本国民の主権侵害に焦点を当てて、一部引用しながら紹介します。(緑字部分は引用)




はじめに

 日米合同委員会とは、日本における米軍の権利など法的地位を定めた日米地位協定の運用に関する協議である。一九五二年四月二八日の対日講話条約、日米安保条約、日米行政協定(現在地位協定)の発効とともに発足した。外務省や防衛省などの高級官僚らと在日米軍司令部などの高級軍人らで構成されている。

 外務省内や都内の米軍施設などで定期的に会合し、議事録や合意文書は原則非公開とされる。国会議員にさえも公開しない秘密の厚い壁を築いている。関係者以外立ち入れない密室の協議を通じて米軍に対し、基地を自由に使用し軍事活動をおこなう特権を認める合意を結んでいる。米軍優位の不平等な日米地位協定を裏から支える密室の合意システムといえる。(中略)


日米合同委員会の議事録や合意文書の非公開は、日米地位協定で定められているわけではない。ただ合同委員会の密室協議で、そう取り決めただけなのである。そして、そう取り決めた合意文書さえも非公開としてきた。その秘密体制は徹底している。(p.7)



そこに風穴を開けようとしたのが、「知る権利」と情報公開の推進に取り組むNPO法人「情報公開クリアリングハウス」の「日米合同委員会議事録情報公開訴訟」である。この訴訟を通じて、外務省は1960年の安保改訂後の第一回日米合同委員会の議事録中の、「(合同委員会の議事録などは)日米双方の合意がない限り公表されない」という部分を開示せざるをえなくなった。

 そして、日米合同委員会の文書非公開という秘密体制を維持するために、外務省が情報公開法にもとづく日米合同委員会連絡の文書開示請求があるたびに、在日米軍と電話やメールで連絡を取り合い、米軍側から「開示に同意しない旨」の回答を受けている事実も明らかになった。

 これでは、米軍が日本の情報公開制度に対し縛りをかけていることになる。米軍の同意なしには開示されないのだから、日本の情報公開の主権と国民の「知る権利」が制約・侵害されているといえる。 (p.8)



日本の空と人権: 米軍機の飛行訓練について

 国民の「知る権利」を侵害される中、「密約」に則って、日本国民が安全に暮らす権利も侵害されている。

 沖縄の普天間基地が、米軍機による飛行訓練の被害を周辺住民に及ぼしていることは、長く知られているが、一向に改善されていると思えない状況だ。それは、沖縄のことだけでなく、関東や横田基地周辺、東北の三沢基地周辺、また九州の一部、西日本横断ルート、東北周回ルートなどで、本国アメリカでは到底許されない住宅地上空のような地域でも、低空飛行訓練を米軍は続けている。


 防衛省によると、地位協定にもとづくとされる米軍の訓練空域は二八カ所ある。しかし実際には、F16戦闘機、FA18戦闘攻撃機、C130輸送機、オスプレイなど多くの米軍機が、これらの訓練空域以外の日本の陸地の上空でも自由に訓練飛行をおこなっている。

 米軍は地位協定上の法的根拠もなく、北海道から沖縄まで全国各地に、新聞社の調査などで判明しただけでも八本の低空訓練ルートや、関東から中部にかけての低空訓練エリアを勝手に設定している。(p.45)



 米軍機の飛行訓練がひんぱんにおこなわれる地域の自治体は、飛行ルートや訓練時間の事前の情報提供を日本に求めている。米軍機と自治体の消防防災ヘリやドクターヘリのニアミスや衝突事故を防ぐためである。しかし、情報は提供されない。「米軍機情報隠蔽密約」 があるからにちがいない。密約は住民の安全を脅かしている。(p.7)



 そして、これらの空域は、ここでは詳しく述べませんが、現在でもまだまだ拡大しています。詳細は、2019年の三沢基地についての章、「三沢基地周辺でも拡大する米軍用空域」(p.165)をお読みください。他にも、下記の引用部分に列挙されているような、日本の法令に抵触するような米軍の特別扱いがおこなわれています。



 日本の法令に反する合意はしてはならない

 

 それにしても、このような日米合同委員会で日本の法令に抵触、違反する合意をおこなうことは、許されるものだろうか。

 その答えは、決して許されるものではない、である。明確に、前出の外務省機密文書『日米地位協定の考え方・増補版』でも、そう説明されている。日米合同委員会を設置した根拠となる地位協定第二五条の解説部分の一節である。


 合同委員会は、当然のことながら地位協定または日本法令に抵触する合意を行うことはできない。


 したがって、航空法上の法的根拠がないのに、米軍による「横田空域」や「岩国空域」での航空管制を事実上委任して認めることも、米軍機に「航空交通管制承認に関し、優先的取り扱いを与える」ことも、銃刀法に反して米軍基地の日本人警備員に銃を携帯させることも、刑事特別法の規定に従わないで、公務中かどうかまだ明らかではないのに米軍人・軍属の被疑者の身柄を米軍側に引き渡すことも、すべて日本法令に抵触、違反しており、そもそも日米合同委員会で合意できる内容ではないのである。

 『日米地位協定の考え方・増補版』は、外務官僚向けに地位協定の解釈・運用について解説した機密文書、内部資料だ。そこにみずから「日本法令に抵触する合意を行うことはできない」と書いておきながら、国民・市民の目が届かない日本の高級官僚と在日米軍の高級軍人の密室協議の場では、日本法令に抵触して米軍を特別扱いする秘密合意を結んでいる。民主主義の基本である「法の支配」を逸脱する行為であり、法治国家としてあってはならにことだ。

 日米合同委員会では、「日本法令に抵触する合意を行うことはできない」以上、日本法令に抵触、違反する合意に正当性はなく、無効でなくてはならない。(pp.206-207)                                          


最後に、独立国として日本がなさなければならない道筋を、本書は示しているので、紹介します。



「別のかたちで継続された占領政策」の呪縛を断ち切る

 このように正当性に欠ける日米合同委員会の密室のシステムを、放置してはならない。

放置したままでは仮に地位協定を抜本的に改定したとしても、その規定をすり抜けて米軍に 有利な合意・密約がつくられてゆくだろう。

 したがって、米軍に対し実効性のある規制をかけるためには、日本法(国内法)を原則として適用することなど地位協定の抜本的改定とともに、不透明な日米合同委員会の合意システムを見直さなければならない。

 日米合同委員会の全面的な情報公開と米軍優位の密約の破棄がなされるべきである。ゆくゆは日米合同委員会そのものも廃止して、国会に「日米地位協定委員会」を設置し、地位協定の解釈と運用を国会の開かれた場で、主権者である国民・市民の目が届くかたちで議論し、管理するように改めなければならない。そこに自治体からの代表者も参加でき、住民の声も汲み 上げられる仕頼みも欠かせない。

 松本清張が鋭く指摘した、”別のかたちで継続された占領政策”。その象徴といえる日米合同委員会。「安保法体系」+「密約体系」という表裏一体の米軍優位の構造。このような“別のかたちで継続された占領政策”の呪縛を断ち切ること。それは、いま日本が独立国として、まさしく取り組むべき大きな課題にちがいない。(pp.232-233)



松本清張は昭和50年(1975年)という節目の年に、『文藝春秋』(1975年1月号)誌上でこのように述べたとされる。

 「安保体制というのはアメリカ占領政策の継続です。(日本の)官僚政治家その能率的な実践者であり、忠実な管理人ですね。」 (pp.169-170)



   2023年の現在も、東京都心でほぼ隔週で開かれているという日米合同委員会。米軍に忠実な官僚や政治家に国政を預けている日本国民は、米軍政下にあると言えるでしょう。この状況が、日本国民に知らされぬまま戦後80年近く続いてきた弊害は、とてつもなく大きいと思います。なぜなら、外国軍に主権を奪われ、国民のためにならない政策が堂々と行われていても、それを異常だと思わなくなってしまったからです。「戦争に負けたから仕方がない」という声を聞くこともありますが、同じ第二次世界大戦敗戦国のドイツやイタリア、また、アフガニスタンやイラクと米国の地位協定を、日本のそれと比べてみてください。日本の異常さに気がつかないわけにはいかないでしょう。


そして、占領状態から続くこの不平等な状態から国を立て直す、すなわち日本を真の独立国にできるのは、国民の力しかないこともわかるでしょう。国民の力とは、軍事力ではなく、国民の主権への渇望、選挙権の行使、政治家、官僚の監視など、真に民主主義的な国民の力だと、私は確信しています。




注:日米合同委員会 

下記は■特権を問う日米合同委員会 米軍特権の基礎知識 2021/12/21 

https://mainichi.jp/articles/20211216/org/00m/040/016000c  より引用


 1952年調印の日米行政協定で設けられた協議機関。1960年からは行政協定を引き継いだ日米地位協定に基づき設置されている。東京都心でほぼ隔週で開かれており、日本の省庁幹部と在日米軍幹部が米軍や基地の具体的な運用の実務者協議を行っている。


 代表者は日本側が外務省北米局長、米国側が在日米軍副司令官。「刑事裁判管轄権」「出入国」「航空機騒音対策」「訓練移転」「在日米軍再編」など分野ごとの分科会や部会が30以上設けられており、本会議に当たる合同委員会で合意事項が決定される。


合意事項は日米双方に拘束力をもつが、協議は非公開で内容は日米双方の合意がなければ公表されず国会への報告義務もない。このため、国民の知らない密約が数多く結ばれているとの指摘がある【記事①】 【記事②】 【記事③】。


既に明らかになっているのが、米兵の公務外犯罪を巡る「裁判権放棄密約」だ。1953年10月28日の日米合同委員会裁判権小委員会の議事録の中で日本側代表の津田実・法務省総務課長(当時)が「実質的に重要と考えられる事件以外では、第1次裁判権を行使する意図を通常有しない」と述べた秘密の了解を指す。米公文書にこの記録が残るが、外務省は「予測を述べたものに過ぎず、何らかの約束を述べたものではない」として効力を否定している。


 2018年の沖縄県議会で翁長雄志知事(当時)は「日米地位協定が憲法の上にあって、日米合同委員会が国会の上にある」と語っている。



記事1 地位協定60年 65年米公文書 日米「身柄勾留」密約 裁判終了まで米側で https://mainichi.jp/articles/20200228/ddm/001/040/085000c


記事2 地位協定60年 身柄勾留で密約 米軍優遇、浮き彫り https://mainichi.jp/articles/20200228/ddm/003/010/131000c


記事3 日米関係を揺るがしたジラード事件 「密約」が阻んだ捜査 63年前の父の悔しさ https://mainichi.jp/articles/20200307/k00/00m/040/003000c


しっかり読んだら、お腹が空きました?
アイスランドでのランチの写真です。
アイスランドの安全保障政策も、とても参考になりますので、また、いつか。



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